B-18 ICUにおける大血管術後の急性肺血栓塞栓症(APTE)の2症例―大血管術後におけるAPTE対策

「はじめに」大血管術後における深部静脈血栓症(deep vein thrombosis; DVT)の発生頻度は一般外科手術より低く, 急性肺血栓塞栓症(acute pulmonary thromboembolism; APTE)を発症する可能性は低いと報告されている1). その理由として, 大血管手術における術中の十分なヘパリン化や術後の凝固因子低下, 血小板数減少があげられ, 術後の血栓形成は稀と考えられている. しかし, 当ICUにおいて過去5年間に治療したAPTE9例のうち, 2症例が大血管術後症例であり, その経過について報告するとともに, APTE対策について考察する. 「症例1」3...

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Veröffentlicht in:心臓 2011, Vol.43 (7), p.1025-1027
Hauptverfasser: 吉田真一郎, 今泉均, 升田好樹, 佐藤通子, 後藤京子, 蕨玲子, 巽博臣, 北飛鳥, 浅井康文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」大血管術後における深部静脈血栓症(deep vein thrombosis; DVT)の発生頻度は一般外科手術より低く, 急性肺血栓塞栓症(acute pulmonary thromboembolism; APTE)を発症する可能性は低いと報告されている1). その理由として, 大血管手術における術中の十分なヘパリン化や術後の凝固因子低下, 血小板数減少があげられ, 術後の血栓形成は稀と考えられている. しかし, 当ICUにおいて過去5年間に治療したAPTE9例のうち, 2症例が大血管術後症例であり, その経過について報告するとともに, APTE対策について考察する. 「症例1」30歳代, 男性, 164cm, 89.6kg, BMI33. 肥満, 睡眠時無呼吸症候群を合併. 慢性大動脈解離(Stanford B型)の瘤拡大に対して下行大動脈人工血管置換術(手術時間: 727分)が施行された. 翌日, 酸素化能の改善により人工呼吸器を離脱, 抜管した. 術後2病日からDVTの予防として, 弾性ストッキングを着用させた.
ISSN:0586-4488