4 川崎病遠隔期において冠動脈バイパス術にいたった症例
「はじめに」川崎病に対する冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting;CABG)の長期予後は近年改善されつつあるが, 成人と異なり術後の平均余命が長く, 小児期に手術を受けた患児は経年的に心事故の危険が増す. そのため, 適切な時期にCABGを施行することで, 生命予後の改善が期待できると考えられる1)2). 当院で川崎病後遺症冠動脈狭窄に対して施行されたCABGの9症例について外科治療にいたるまでの経過についてまとめ(表), 虚血性変化の早期診断と適切な外科治療のありかたについて検討した. 「症例」症例(1)~(3)は不明熱などの既往歴や, 巨大な冠動脈...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2011, Vol.43 (5), p.710-711 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」川崎病に対する冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting;CABG)の長期予後は近年改善されつつあるが, 成人と異なり術後の平均余命が長く, 小児期に手術を受けた患児は経年的に心事故の危険が増す. そのため, 適切な時期にCABGを施行することで, 生命予後の改善が期待できると考えられる1)2). 当院で川崎病後遺症冠動脈狭窄に対して施行されたCABGの9症例について外科治療にいたるまでの経過についてまとめ(表), 虚血性変化の早期診断と適切な外科治療のありかたについて検討した. 「症例」症例(1)~(3)は不明熱などの既往歴や, 巨大な冠動脈瘤とその形態, 石灰化病変などから川崎病既往と考えられた症例であった. 1例は右冠動脈のみの閉塞であったが, ほかの2例は左右とも重症な狭窄であった. しかし, 側副血行路の存在のために20年以上症状なく経過しており, 安静時心電図における虚血性変化は認められなかった. |
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ISSN: | 0586-4488 |