Double systolic anterior motionを認めた閉塞性肥大型心筋症の1例

症例は, 62歳, 男性. 健診で心電図異常を指摘され, 精査目的に当院循環器内科を受診した. 心電図上, I, aVL, II, III, aVF, V3~6に陰性T波を認めた. 2Dエコー図では心室中隔厚30mm, 左室後壁厚10mmと著明な非対称性中隔肥大(asymmetric septal hypertrophy; ASH)および心尖部レベル短軸像にて心室中隔厚30mm, 左室後壁厚28mmの全周性左室肥大を認めた. Mモードエコー図にて, 僧帽弁は2峰性の収縮期前方運動〔double(systolic anterior motion; SAM)〕を呈し, 連続波ドプラ法による左室駆出...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2011, Vol.43(5), pp.635-641
Hauptverfasser: 佐々木, 伸二, 林, 輝美, 小林, さゆき, 善利, 博子, 薬袋, 路子, 江口, 美知子, 酒井, 良彦, 飯島, 忍, 小沼, 善明, 柴崎, 光衛, 春木, 宏介, 高柳, 寛
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:症例は, 62歳, 男性. 健診で心電図異常を指摘され, 精査目的に当院循環器内科を受診した. 心電図上, I, aVL, II, III, aVF, V3~6に陰性T波を認めた. 2Dエコー図では心室中隔厚30mm, 左室後壁厚10mmと著明な非対称性中隔肥大(asymmetric septal hypertrophy; ASH)および心尖部レベル短軸像にて心室中隔厚30mm, 左室後壁厚28mmの全周性左室肥大を認めた. Mモードエコー図にて, 僧帽弁は2峰性の収縮期前方運動〔double(systolic anterior motion; SAM)〕を呈し, 連続波ドプラ法による左室駆出血流速波形も同様の2峰性のピークを有し, 各時相もほぼ一致した. 閉塞性肥大型心筋症(hypertrophic obstructive cardiomyopathy; HOCM)の特徴的所見の1つにSAMがあげられるが, その多くは1峰性のSAMである. 本例はdouble SAMを有し, 2峰性左室駆出血流速波形とともに記録し得た貴重な症例と考え, 報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.635