健診にて指摘された心雑音から診断にいたった冠動脈瘻瘤を合併した冠動脈右房瘻の1例
症例は, 特記すべき既往歴のない23歳, 女性. 心雑音精査にて受診となった. 経胸壁心エコーにて左冠動脈主幹部に相当する部位の拡張を認め, その後, 側方に瘤形成を認め, 冠動脈奇形が疑われた. 冠動脈造影検査では左冠動脈主幹部が瘤状に拡張しており前下行枝, 回旋枝とは別の異常血管が側壁方向に上行大動脈と左房の間を走行し2つの瘤が形成され右房に注いでいる所見がみられた. また, 酸素飽和度は, 右房でステップアップを認めた. 経食道心エコーでは冠動脈瘻からの流入部位は右房と上大静脈の境界付近と推定された. 造影CTでは, 左冠動脈主幹部から発生する異常血管は側壁方向に上行大動脈と左房の間を走...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2011, Vol.43(4), pp.499-504 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は, 特記すべき既往歴のない23歳, 女性. 心雑音精査にて受診となった. 経胸壁心エコーにて左冠動脈主幹部に相当する部位の拡張を認め, その後, 側方に瘤形成を認め, 冠動脈奇形が疑われた. 冠動脈造影検査では左冠動脈主幹部が瘤状に拡張しており前下行枝, 回旋枝とは別の異常血管が側壁方向に上行大動脈と左房の間を走行し2つの瘤が形成され右房に注いでいる所見がみられた. また, 酸素飽和度は, 右房でステップアップを認めた. 経食道心エコーでは冠動脈瘻からの流入部位は右房と上大静脈の境界付近と推定された. 造影CTでは, 左冠動脈主幹部から発生する異常血管は側壁方向に上行大動脈と左房の間を走行し, その後2つの瘤が連続している所見であった. 冠動脈瘻瘤を伴う冠動脈瘻に対して将来的な破裂の危険性を考慮し外科的治療を行った. 異常血管起始部の結紮切離, 右房開口部閉鎖, 瘤切除術を施行し, 術後経過は良好である. 今回, われわれは, 無症状で発見された巨大瘤を伴った冠動脈右房瘻の手術症例を経験したので文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.43.499 |