田中論文に対するEditorial Comment

今回の田中論文は, 急性冠症候群におけるステント留置によるプロラプスの予測に関する論文で, IB-IVUSによる検討を行っており非常に興味深い. しかし, 方法論的には, 血管内エコーを用いたIB-IVUSの弱点である血栓の関与をいかに克服するか, あるいは, プロラプス発生のメカニズムについての考え方が重要と思われた. ステント後のプロラプスは, 冠動脈インターベンションを行ううえで, しばしば冠動脈造影や血管内超音波(intravascular ultrasound;IVUS)により観察されるが, ステント血栓症の原因や末梢の乱流の原因ともされている. 一方, 血栓のみの場合であれば, 臨...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2011, Vol.43(1), pp.42-42
1. Verfasser: 高山, 忠輝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回の田中論文は, 急性冠症候群におけるステント留置によるプロラプスの予測に関する論文で, IB-IVUSによる検討を行っており非常に興味深い. しかし, 方法論的には, 血管内エコーを用いたIB-IVUSの弱点である血栓の関与をいかに克服するか, あるいは, プロラプス発生のメカニズムについての考え方が重要と思われた. ステント後のプロラプスは, 冠動脈インターベンションを行ううえで, しばしば冠動脈造影や血管内超音波(intravascular ultrasound;IVUS)により観察されるが, ステント血栓症の原因や末梢の乱流の原因ともされている. 一方, 血栓のみの場合であれば, 臨床的には支障とならないことも多いため, プロラプスを検討した論文は多くない. 今回の田中論文では, IB-IVUSという周波数解析を用いて, プロラプスの発生の予測を試みた点で興味深い. また, IVUSによる検討であるため, 解析上の制限は否めないものの, その限られた条件の中で詳細に検討されている点で評価される.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.42