[ワークショップ3]心筋梗塞後リモデリングにおける心筋オートファジーの役割

虚血心筋におけるオートファジー活性化はよく知られているが, 心筋梗塞後リモデリングにおけるオートファジーの動態は不明である. われわれはマウス心筋梗塞モデルを用い, オートファジーの梗塞後リモデリングへの影響を検討した. 心筋梗塞亜急性期から慢性期においては梗塞境界部心筋細胞にオートファジーが強く発現することを確認したうえで, 心筋梗塞後2週よりrapamycin(オートファジー促進), bafilomycin A1(オートファジー阻害), 生食(コントロール)を7日間投与し検討した. Rapamycin投与群では有意に心筋肥大, 梗塞後リモデリング, 心筋ANP発現が抑制され, 左室収縮能・...

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Veröffentlicht in:心臓 2010, Vol.42 (10), p.1360-1361
Hauptverfasser: 金森寛充, 竹村元三, 後藤和子, 丸山留美, 辻本晃子, 川村一太, 竹山俊昭, 川口智則, 渡辺崇量, 荻野敦史, 藤原兌子, 藤原久義, 清島満, 湊口信也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:虚血心筋におけるオートファジー活性化はよく知られているが, 心筋梗塞後リモデリングにおけるオートファジーの動態は不明である. われわれはマウス心筋梗塞モデルを用い, オートファジーの梗塞後リモデリングへの影響を検討した. 心筋梗塞亜急性期から慢性期においては梗塞境界部心筋細胞にオートファジーが強く発現することを確認したうえで, 心筋梗塞後2週よりrapamycin(オートファジー促進), bafilomycin A1(オートファジー阻害), 生食(コントロール)を7日間投与し検討した. Rapamycin投与群では有意に心筋肥大, 梗塞後リモデリング, 心筋ANP発現が抑制され, 左室収縮能・拡張能の改善を認めた. またオートファジー関連蛋白であるLC3-II, cathepsin Dの発現が増強し, 心筋内の超微形態的にもオートファゴゾーム増加を認めオートファジ亢進を示した. しかしbafilomycin A1投与群ではオートファジーは抑制されリモデリングは増悪し心機能の低下を認めた. 以上よりオートファジーは心筋梗塞後リモデリングに深く関与し, オートファジーの効率を上げることで心機能改善に寄与できることが示唆された.
ISSN:0586-4488