堀込論文に対するEditorial Comment
堀込らの論文は薬物有害反応についての非常に興味深い症例報告である. 持続性心室頻拍のため, 植込み型除細動器とアミオダロンにより治療中の拡張型心筋症患者に, 薬物有害反応の単純性び漫性甲状腺腫が生じ, さらにアミオダロン中止10カ月後に破壊性甲状腺炎(amiodarone-induced thyrotoxicosis;AIT)を発症したというものである. 本論文に詳しく記載されているが, アミオダロン100mg錠の中には37mgのヨードが含まれていることから, 同薬の薬物有害反応としては甲状腺の異常の頻度が高い. 甲状腺の異常は, ほかの抗不整脈薬では非常に稀な有害反応であり, アミオダロンの...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 心臓 2010, Vol.42(8), pp.1087-1087 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 堀込らの論文は薬物有害反応についての非常に興味深い症例報告である. 持続性心室頻拍のため, 植込み型除細動器とアミオダロンにより治療中の拡張型心筋症患者に, 薬物有害反応の単純性び漫性甲状腺腫が生じ, さらにアミオダロン中止10カ月後に破壊性甲状腺炎(amiodarone-induced thyrotoxicosis;AIT)を発症したというものである. 本論文に詳しく記載されているが, アミオダロン100mg錠の中には37mgのヨードが含まれていることから, 同薬の薬物有害反応としては甲状腺の異常の頻度が高い. 甲状腺の異常は, ほかの抗不整脈薬では非常に稀な有害反応であり, アミオダロンの使用頻度のみならず投与量も海外と比べ少ないわが国でも, 同薬との関連がよく知られている. アミオダロンによる甲状腺の異常については発症時期について一般の薬物有害反応と異なった点がある. 例えば, 薬物性肝障害などでは通常投与開始から1~2カ月のうちに発症することがほとんどであるのに対し, 長期投与中から使用中止後1~11カ月とさまざまな時期に発症していることが注目される1). |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.42.1087 |