1. 動脈の硬さと圧脈波反射-その基礎と臨床的見地からみた病態
「はじめに」心血管疾患は, わが国の主要な死亡原因の1つであり, その多くは動脈硬化を基盤として発症する. 心血管疾患を予防するためには, 動脈硬化を早期に発見し, 早期に治療や生活習慣の改善を行うことが極めて重要である. さまざまな動脈硬化の評価法が存在する中, 非侵襲的な血圧脈波の記録に基づく脈波伝播速度(pulse wave velocity;PWV)や中心血圧の測定が, 臨床や検診の場で広く用いられるようになった. 本稿では, これらの脈波・血圧指標で示される動脈の硬さ(arterial stiffness)や圧脈波反射(pressure wave reflection)が心血管系に与...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2010, Vol.42 (8), p.1021-1025 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」心血管疾患は, わが国の主要な死亡原因の1つであり, その多くは動脈硬化を基盤として発症する. 心血管疾患を予防するためには, 動脈硬化を早期に発見し, 早期に治療や生活習慣の改善を行うことが極めて重要である. さまざまな動脈硬化の評価法が存在する中, 非侵襲的な血圧脈波の記録に基づく脈波伝播速度(pulse wave velocity;PWV)や中心血圧の測定が, 臨床や検診の場で広く用いられるようになった. 本稿では, これらの脈波・血圧指標で示される動脈の硬さ(arterial stiffness)や圧脈波反射(pressure wave reflection)が心血管系に与える影響について, その生理的・病態生理的機序を基礎的・臨床的見地から概説する. 「動脈硬化と動脈の硬さ」一般に病理学的な意味で動脈硬化という言葉を用いるとき, それは狭義の動脈硬化(arteriosclerosis)と粥状硬化(atherosclerosis)を含んでいる1). 両者は相互に密接な関連を持つ一方で, その組織学的特性は明らかに異なる. |
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ISSN: | 0586-4488 |