1 冠攣縮性狭心症の診療ガイドライン
「はじめに」 2008年12月, 日本循環器学会の合同研究班により, 「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン」1)が発表された. このガイドラインは, 2006年8月の第1回班会議から約2年をかけて作成され, 班員, 協力員に多大な協力をいただき完成した. これまで作成されている多くの診療ガイドラインは, 欧米のエビデンスをもとに作成されていることが多いように思われるが, 冠攣縮性狭心症の診療ガイドラインは, 世界に先駆けて日本から発信されたガイドラインであり, 当疾患に対する診断と治療の標準化に向けて重要な意義があるといえる. 「冠攣縮性狭心症の一般概念」 冠攣縮とは, 心臓の表面...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2010, Vol.42 (7), p.824-828 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 2008年12月, 日本循環器学会の合同研究班により, 「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン」1)が発表された. このガイドラインは, 2006年8月の第1回班会議から約2年をかけて作成され, 班員, 協力員に多大な協力をいただき完成した. これまで作成されている多くの診療ガイドラインは, 欧米のエビデンスをもとに作成されていることが多いように思われるが, 冠攣縮性狭心症の診療ガイドラインは, 世界に先駆けて日本から発信されたガイドラインであり, 当疾患に対する診断と治療の標準化に向けて重要な意義があるといえる. 「冠攣縮性狭心症の一般概念」 冠攣縮とは, 心臓の表面を走行する比較的太い冠動脈が一過性に異常に収縮した状態であり, この病態によって起こる狭心症を冠攣縮性狭心症という. 以前より知られている異型狭心症も冠攣縮性狭心症の1つと考えられ, 安静時狭心症の中で, 発作時の心電図におけるST上昇を特徴とする2). |
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ISSN: | 0586-4488 |