2. 糖尿病性大血管症の診断と評価法

「はじめに:糖尿病とは」糖尿病は, 慢性的な高血糖状態を特徴とする代謝疾患群であり, 原因をインスリン作用の不足とするものである. インスリンは膵ランゲルハンス島より分泌されて, 肝臓, 脂肪組織, そして筋肉などで細胞膜上にある受容体に結合することでブドウ糖を細胞内に取り込み, 蛋白質の合成, エネルギーの利用や貯蔵, 細胞の増殖促進に働くものであるが, インスリン分泌の不足やインスリン抵抗性の増大によって, インスリン作用不足となることで血糖が上昇する. 急激や高度なインスリンの作用不足によって, ケトアシドーシス, 過度の血糖値の上昇, 脱水などをきたし, 糖尿病性昏睡を生じることもある...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2010, Vol.42 (6), p.706-712
Hauptverfasser: 野間玄督, 東幸仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに:糖尿病とは」糖尿病は, 慢性的な高血糖状態を特徴とする代謝疾患群であり, 原因をインスリン作用の不足とするものである. インスリンは膵ランゲルハンス島より分泌されて, 肝臓, 脂肪組織, そして筋肉などで細胞膜上にある受容体に結合することでブドウ糖を細胞内に取り込み, 蛋白質の合成, エネルギーの利用や貯蔵, 細胞の増殖促進に働くものであるが, インスリン分泌の不足やインスリン抵抗性の増大によって, インスリン作用不足となることで血糖が上昇する. 急激や高度なインスリンの作用不足によって, ケトアシドーシス, 過度の血糖値の上昇, 脱水などをきたし, 糖尿病性昏睡を生じることもある. 口渇, 多飲, 多尿, 易疲労, 体重減少などの症状を呈することもあるが, 基本的には自覚症状に乏しく進行するため, 糖尿病は高血圧や高脂血症などの生活習慣病とともにサイレントキラーと呼ばれている. 糖尿病は成因によって(1)~(4)に分類される.
ISSN:0586-4488