症例 吸引カテーテルから脱落しガイドカテーテル内に遺残した巨大血栓をガイドカテーテルで回収することができた1例

「Abstract」50歳代, 男性. 6カ月前に閉塞性動脈硬化症に対して外科的治療を施行された. 術前の冠動脈造影検査では右冠動脈に有意狭窄はなかった. 今回, 完全房室ブロック合併下壁急性心筋梗塞症でCCUに緊急入院となった. 緊急冠動脈造影検査で右冠動脈の完全閉塞がみられ, 引き続いて同部位への緊急経皮的冠動脈形成術を開始した. 病変部には巨大な血栓像がみられた. 血栓が大きく血栓吸引できなかったためバルーンカテーテルでの拡張を繰り返した. 血栓は破砕され#4PDと#4AVに移動した. 再度血栓吸引を行った. #4AVで吸引カテーテルがスタックしたところで慎重に陰圧をかけたままで吸引カテ...

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Veröffentlicht in:心臓 2010, Vol.42 (5), p.637-641
Hauptverfasser: 高橋朋子, 岩坂潤二, 伯耆やえ, 杉山宏, 大石千尋, 上山敬直, 朴幸男, 山本克浩, 大谷肇, 岩坂壽二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「Abstract」50歳代, 男性. 6カ月前に閉塞性動脈硬化症に対して外科的治療を施行された. 術前の冠動脈造影検査では右冠動脈に有意狭窄はなかった. 今回, 完全房室ブロック合併下壁急性心筋梗塞症でCCUに緊急入院となった. 緊急冠動脈造影検査で右冠動脈の完全閉塞がみられ, 引き続いて同部位への緊急経皮的冠動脈形成術を開始した. 病変部には巨大な血栓像がみられた. 血栓が大きく血栓吸引できなかったためバルーンカテーテルでの拡張を繰り返した. 血栓は破砕され#4PDと#4AVに移動した. 再度血栓吸引を行った. #4AVで吸引カテーテルがスタックしたところで慎重に陰圧をかけたままで吸引カテーテルを回収し大きな血栓を得た. この後#4AVについては血行が改善し, TIMI-3になり完全房室ブロックも改善した. さらに, 同様の手技を#4PDに対しても施行した. 吸引カテーテルが血栓でスタックしたためそのまま回収を試みた. しかし吸引カテーテルがガイドカテーテルに入って少ししたところでガイドカテーテルからの圧が消失した. 血栓がカテーテル内あるいは入口部付近でカテーテル内腔を閉塞したと考えガイドカテーテルに陰圧をかけ, ガイドカテ自体を体外へ抜去し, 非常に大きな血栓を得た. この後は#2に小さな血栓像を認めるのみで良好な血流が得られたため終了した. 吸引カテーテルから脱落した巨大血栓をガイドカテーテルで回収できた貴重な症例であったので報告する.
ISSN:0586-4488