左室肥厚を伴わず精神的緊張により誘発された一過性僧帽弁閉鎖不全症の1例
症例は47歳,男性.労作時の呼吸困難と胸痛があり,10~15分で治まっていた.心筋シンチグラフィで虚血が疑われ紹介入院となった.入院初日,心エコー検査を受けたが心拍数は90/分で精神的緊張が認められた.心エコー図では左室流出路圧較差を伴う収縮期前方運動 (systolic anterior motion;SAM) と僧帽弁逆流 (mitral regurgitation;MR) III-IV度を認めたが,左室肥大は認めなかった.翌日,冠動脈造影で左前下行枝#7に90%狭窄を認めた.左室造影ではMRを認めなかった.心エコー図でSAMは消失し,MR I-II度であった.冠動脈ステントを留置したが翌...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2010, Vol.42(4), pp.495-501 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は47歳,男性.労作時の呼吸困難と胸痛があり,10~15分で治まっていた.心筋シンチグラフィで虚血が疑われ紹介入院となった.入院初日,心エコー検査を受けたが心拍数は90/分で精神的緊張が認められた.心エコー図では左室流出路圧較差を伴う収縮期前方運動 (systolic anterior motion;SAM) と僧帽弁逆流 (mitral regurgitation;MR) III-IV度を認めたが,左室肥大は認めなかった.翌日,冠動脈造影で左前下行枝#7に90%狭窄を認めた.左室造影ではMRを認めなかった.心エコー図でSAMは消失し,MR I-II度であった.冠動脈ステントを留置したが翌日心エコー図でSAMを伴うMR II-III度を認めた.ドブタミン負荷心エコー図でSAMとMRが一過性に誘発された.βブロッカーの内服で良好にコントロールした.以上より,精神的緊張によると考えられる左室過収縮により一過性にSAMとMRをきたした稀な1例を報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.42.495 |