心不全の治療(薬物療法と非薬物療法)-和温療法

本日は「和温療法」についてお話します. 終戦後の医学の進歩はめざましく, なかでも心臓・血管疾患の診断法や治療法の進歩は, 平均寿命の延長に大きく貢献してきました. しかし治療を受ける患者さんの苦悩や葛藤がどれほど深刻であるかを理解することは困難です. 病気からの回復に必要な検査や治療であれば, たとえ苦痛を伴うものでも患者さんは受け入れてくれます. 飛躍的に発展してきました侵襲的な心臓カテーテル検査や治療, 心臓弁膜症の手術, 冠動脈形成術, 大血管再建術, 左室形成術, 心臓移植などは, 成功すれば患者さんの症状や運動耐容能を著明に改善させます. しかし同時にそれらの治療を受ける患者さんに...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2010-01, Vol.42 (1), p.125-126
1. Verfasser: 鄭忠和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本日は「和温療法」についてお話します. 終戦後の医学の進歩はめざましく, なかでも心臓・血管疾患の診断法や治療法の進歩は, 平均寿命の延長に大きく貢献してきました. しかし治療を受ける患者さんの苦悩や葛藤がどれほど深刻であるかを理解することは困難です. 病気からの回復に必要な検査や治療であれば, たとえ苦痛を伴うものでも患者さんは受け入れてくれます. 飛躍的に発展してきました侵襲的な心臓カテーテル検査や治療, 心臓弁膜症の手術, 冠動脈形成術, 大血管再建術, 左室形成術, 心臓移植などは, 成功すれば患者さんの症状や運動耐容能を著明に改善させます. しかし同時にそれらの治療を受ける患者さんに, かなりの苦痛や我慢を強いることも事実です. 患者さんは心不全からの回復を信じて, これらの治療を受け入れているのです. これは癌の患者さんが手術や放射線治療・化学療法を受け入れているのと同じです. 患者さんに与える痛み・緊張・忍耐がどれほど大きいかは, 同じ病に苦しまない限り理解することはできません.
ISSN:0586-4488