一般市中病院におけるACS早期再疎通療法に向けたクリニカルパス導入の意義

目的: ST上昇型心筋梗塞(ST elevation myocardial infarction; STEMI) 患者に対するdoor to balloon time(DTB) 90分以内を達成するために循環器非専門医が汎用可能な急性冠症候群(acute coronary syndrome; ACS) クリニカルパスを救急診療に導入することで, 早期再疎通療法が実現可能か否かを検討した. 方法: ACSクリニカルパス導入前後1年間のSTEMIに対する緊急経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI) 施行例でのdoor to c...

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Veröffentlicht in:心臓 2009, Vol.41(8), pp.898-905
Hauptverfasser: 塩見, 紘樹, 岩村, 優美, 有吉, 真, 福居, 顕介, 坂本, 智子, 澤西, 高佳, 木山, 昌広, 島, 正巳, 松原, 欣也, 上床, 博久, 古川, 啓三
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的: ST上昇型心筋梗塞(ST elevation myocardial infarction; STEMI) 患者に対するdoor to balloon time(DTB) 90分以内を達成するために循環器非専門医が汎用可能な急性冠症候群(acute coronary syndrome; ACS) クリニカルパスを救急診療に導入することで, 早期再疎通療法が実現可能か否かを検討した. 方法: ACSクリニカルパス導入前後1年間のSTEMIに対する緊急経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI) 施行例でのdoor to cath labo time(DTC), DTBを比較検討した. 結果: クリニカルパス導入前1年間(2005年9月~2006年8月)ではDTC中央値76.0分(平均値84.6分), DTB中央値110.0分(平均値115.0分)であった(n=25). しかし, クリニカルパス導入後1年間(2006年9月~2007年8月)では, DTC中央値48.0分(平均値54.0分), DTB中央値96.0分(平均値106.7分)とDTCで28分の短縮(p<0.01), DTBにおいても14分の短縮(NS)がみられた(n=16). 結語: ACSクリニカルパスを導入することで救急初療医が非循環器専門医であることの多いわが国の一般市中病院においてもSTEMI患者のDTCが30分近く短縮可能であることが示された. このことは, STEMIの再灌流療法のガイドラインに示されているDTB 90分以内の達成が現実となる可能性を示唆した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.41.898