心室頻拍および心停止を呈した原発性副甲状腺機能亢進症による高Ca血症性クリーゼの1例
心室頻拍(ventricular tachycardia; VT), torsade de pointes(TdP), 高度房室ブロックによる徐脈, 心停止と多彩な不整脈を呈した原発性副甲状腺機能亢進症による高Ca血症性クリーゼの1例を経験した. 症例は75歳, 男性, 胃癌術後1カ月より次第に倦怠感, 食欲不振, 傾眠傾向が出現, 急速に高Ca血症が増悪し当院に救急搬送された. 来院時, ショック, 低酸素血症, 意識障害を呈しており, 血液検査では腎不全(Cr 2.8mg/dL), 高Ca血症(補正Ca 17.3mg/dL), 低K血症(K 2.6mEq/L), ジゴキシン血中濃度高値(2...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2009, Vol.41(7), pp.801-808 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 心室頻拍(ventricular tachycardia; VT), torsade de pointes(TdP), 高度房室ブロックによる徐脈, 心停止と多彩な不整脈を呈した原発性副甲状腺機能亢進症による高Ca血症性クリーゼの1例を経験した. 症例は75歳, 男性, 胃癌術後1カ月より次第に倦怠感, 食欲不振, 傾眠傾向が出現, 急速に高Ca血症が増悪し当院に救急搬送された. 来院時, ショック, 低酸素血症, 意識障害を呈しており, 血液検査では腎不全(Cr 2.8mg/dL), 高Ca血症(補正Ca 17.3mg/dL), 低K血症(K 2.6mEq/L), ジゴキシン血中濃度高値(2.3ng/mL)を認めた. 肺炎, 敗血症性ショック, 急性腎不全の状態と考えICUに入室した. 初診時にVT, TdPを起こしリドカイン点滴静注を開始, 第2病日には房室ブロックによる徐脈から突然心停止に至った. 心肺蘇生を施行, エピネフリン静注で心拍再開した. 徐脈に対して体外式一時ペースメーカーを挿入, 高Ca血症および腎不全に対して持続血液濾過透析(continuous hemodiafiltration; CHDF)を開始した. 血液検査でintact parathyroid hormone(PTH)414pg/mLと上昇し, エコーで径13×10×7mmの副甲状腺腫を認め, 原発性副甲状腺機能亢進症による高Ca血症クリーゼと診断, 第9病日に腺腫摘出術を施行した. 術後は高Ca血症を認めなかったが, 誤嚥性肺炎を繰り返し, 胸水貯留を伴った心不全を併発した. 心不全の増悪と低K血症に伴い, 心室頻拍が出現し, リドカイン持続静注で対処した. 全身状態の改善に乏しく第94病日に永眠された. 高Ca血症により多彩な不整脈をきたした稀な症例と考え, 文献的考察を踏まえ報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.41.801 |