2度の感染性脳動脈瘤破裂による脳出血に対し脳外科手術後に僧帽弁形成術を施行した感染性心内膜炎の1例
症例は33歳, 女性. 主訴は眩暈, 後頭部痛. 頭部CT検査で右頭頂葉の出血を認め, 脳血管造影検査を施行し, 右角回動脈末梢の動脈瘤を認めた. 心エコー検査では, 僧帽弁後尖に疣腫, および重症僧帽弁閉鎖不全を認めたため, 感染性脳動脈瘤破裂および感染性心内膜炎の診断で緊急入院. 血液培養にてEnterococcus faecalisが検出され, 抗生物質(ABPC+GM)投与開始した. 抗生物質投与4日目よりCRPは陰性化したが, 脳動脈瘤は縮小せず, 第61病日動脈瘤遮断·切除術を施行した. 術後経過は良好であったが, 第86病日, 排便を契機にくも膜下出血を発症. 緊急脳動脈造影にて...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2009, Vol.41(6), pp.668-672 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は33歳, 女性. 主訴は眩暈, 後頭部痛. 頭部CT検査で右頭頂葉の出血を認め, 脳血管造影検査を施行し, 右角回動脈末梢の動脈瘤を認めた. 心エコー検査では, 僧帽弁後尖に疣腫, および重症僧帽弁閉鎖不全を認めたため, 感染性脳動脈瘤破裂および感染性心内膜炎の診断で緊急入院. 血液培養にてEnterococcus faecalisが検出され, 抗生物質(ABPC+GM)投与開始した. 抗生物質投与4日目よりCRPは陰性化したが, 脳動脈瘤は縮小せず, 第61病日動脈瘤遮断·切除術を施行した. 術後経過は良好であったが, 第86病日, 排便を契機にくも膜下出血を発症. 緊急脳動脈造影にて, 左後大脳動脈に新たな動脈瘤認め, 同部に対し経皮的脳動脈瘤塞栓術を施行した. その後, 脳神経症状の増悪なく, 第157病日僧帽弁形成術を施行し, 術後経過は良好で第189病日に退院した. 感染性脳動脈瘤を合併し, 2回の脳出血を併発した感染性心内膜炎の1例を経験した. 本疾患は, 循環器内科·脳神経外科·心臓外科領域にまたがる疾患で, 各科の検査·手術施行時期などの治療戦略が予後を大きく左右する. 治療ガイドラインに準じながらも, 個々の症例の病態に応じて抗生物質治療, 手術のタイミングを決断することが重要である. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.41.668 |