心房細動に対する肺静脈隔離術は高齢者においても心機能改善をもたらす
背景, 目的: 薬物療法抵抗性の心房細動に対する電気的肺静脈隔離術(pulmonary vein isolation; PVI)の適応は近年, 低心機能の患者や高齢者へと拡大されてきている. 比較的若年者の心房細動患者においては, PVIによる洞調律維持が心臓のリバースリモデリングや心機能の改善をもたらすことはこれまで報告されているが, 高齢者を対象とした報告は少ない. 本研究では, PVIが高齢心房細動患者の心機能にもたらす効果について, 心エコー指標を中心とした検討を行った. 方法: 薬剤抵抗性の心房細動に対しPVIを施行し, 3カ月以上洞調律を維持し得た102例を対象とした. 症例を65...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2009, Vol.41(6), pp.649-658 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景, 目的: 薬物療法抵抗性の心房細動に対する電気的肺静脈隔離術(pulmonary vein isolation; PVI)の適応は近年, 低心機能の患者や高齢者へと拡大されてきている. 比較的若年者の心房細動患者においては, PVIによる洞調律維持が心臓のリバースリモデリングや心機能の改善をもたらすことはこれまで報告されているが, 高齢者を対象とした報告は少ない. 本研究では, PVIが高齢心房細動患者の心機能にもたらす効果について, 心エコー指標を中心とした検討を行った. 方法: 薬剤抵抗性の心房細動に対しPVIを施行し, 3カ月以上洞調律を維持し得た102例を対象とした. 症例を65歳以上と65歳未満の2群に分け, 術前および術後3~6カ月後に心エコー図検査を施行し, 左房径, 左房容量, 左室径, 左室駆出分画を計測した. 左室拡張能は, 左室流入血流速度波形, 肺静脈血流速度波形や僧帽弁輪運動速度を用い, 4段階評価を行った. また心エコー図検査と同時期に脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide; BNP), 心房性ナトリウム利尿ペプチド(atrial natriuretic peptide; ANP)値を測定した. 結果: 両群において有意に, 術後の左房径, 左房容量, 左室拡張末期径は縮小もしくは減少し, 左室駆出分画は増加した. また両群で左室拡張能障害の改善が認められ, BNP, ANP値も有意に低下した. 結語: PVIによる洞調律維持は, 高齢者に対しても非高齢者と同様に心機能の改善や心臓のリバースリモデリングをもたらす. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.41.649 |