プラバスタチンによる白血球数の減少は冠動脈プラーク退縮の独立した予測因子である

背景: 多くの疫学的研究で白血球数は動脈硬化性疾患罹患率の指標として報告されている. しかしながら, スタチンの抗炎症作用, とりわけ白血球数に及ぼす効果と冠動脈硬化進展抑制との関係に関しては不明な点が多い. 方法と結果: 対象は冠動脈形成術後に, プラバスタチンを投与し, 血管内超音波を試行した50症例. 6カ月後に冠動脈プラーク容積はベースラインに比較して14%の減少, さらに白血球数も8.9%の減少を認めていた. 動脈硬化進展抑制に大きく関与する血清脂質の変化と白血球数の変化率には相関は認められなかった. 冠危険因子, 内服薬を含めた多変量解析では白血球数の変化率は独立した冠動脈硬化進展...

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Veröffentlicht in:心臓 2009, Vol.41(2), pp.124-132
Hauptverfasser: 谷, 樹昌, 長尾, 建, 平山, 篤志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景: 多くの疫学的研究で白血球数は動脈硬化性疾患罹患率の指標として報告されている. しかしながら, スタチンの抗炎症作用, とりわけ白血球数に及ぼす効果と冠動脈硬化進展抑制との関係に関しては不明な点が多い. 方法と結果: 対象は冠動脈形成術後に, プラバスタチンを投与し, 血管内超音波を試行した50症例. 6カ月後に冠動脈プラーク容積はベースラインに比較して14%の減少, さらに白血球数も8.9%の減少を認めていた. 動脈硬化進展抑制に大きく関与する血清脂質の変化と白血球数の変化率には相関は認められなかった. 冠危険因子, 内服薬を含めた多変量解析では白血球数の変化率は独立した冠動脈硬化進展抑制の予測因子であった(β coefficient, 0.262, 95%信頼区間, −0.008 to 0.410). 結果: プラバスタチンの多面的効果である白血球数の減少は冠動脈硬化退縮の新たな指標として有用である可能性がある.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.41.124