1. DES治療後1年以内の心拍動下冠動脈バイパス術

「はじめに」わが国での薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent;DES)は2004年8月に保険適応となって以来急速に広まり, 現在冠動脈ステントの60~70%を占めるにいたったといわれている. 従来のステント(bare metal stent;BMS)と比べてDESの再狭窄率は低くなったが, 遅発性ステント血栓症という新たな問題が出現した. 遅発性ステント血栓症はひとたび発症すると急性心筋梗塞や死亡といった重篤な合併症にいたるため, 予防にはアスピリンとチクロピジン(パナルジン(R))かアスピリンとクロピドグレル(プラビックス(R))の2剤の抗血小板薬の併用が推奨されている....

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Veröffentlicht in:心臓 2009, Vol.41 (2), p.97-100
Hauptverfasser: 羽生道弥, 曽我欣治, 野本卓也, 新井善雄, 中野穣太, 松尾武彦, 瀧本真也, 川東正英, 桑内慎太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」わが国での薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent;DES)は2004年8月に保険適応となって以来急速に広まり, 現在冠動脈ステントの60~70%を占めるにいたったといわれている. 従来のステント(bare metal stent;BMS)と比べてDESの再狭窄率は低くなったが, 遅発性ステント血栓症という新たな問題が出現した. 遅発性ステント血栓症はひとたび発症すると急性心筋梗塞や死亡といった重篤な合併症にいたるため, 予防にはアスピリンとチクロピジン(パナルジン(R))かアスピリンとクロピドグレル(プラビックス(R))の2剤の抗血小板薬の併用が推奨されている. しかし, 遅発性ステント血栓症の報告が相次ぎ, いつまで抗血小板薬の2剤併用を行うかはまだ結論がでていない. こうした状況で, 冠動脈バイパス術の症例にもDES留置後の症例が見られるようになり, 今後は増加すると考えられているが, 抗血小板薬をいつ中止すればよいのか, ヘパリンに切り替えるべきなのか, あるいは中止せずに手術をしたらどうなるのかにつき, 自験例を検討した.
ISSN:0586-4488