乳児期に急性うっ血性心不全を呈する僧帽弁腱索断裂

急性に発症した僧帽弁腱索断裂は年齢を問わず急性左心不全を引き起こし, しばしば重症化する. 特に乳児の場合, 僧帽弁置換術を考慮すると使用できる人工弁のサイズに制限があるため, この時期の僧帽弁腱索断裂への外科的介入は慎重にならざるを得ず, その救命は非常に困難であると予測される. 今回われわれは当院で経験した, 乳児期に急性発症した僧帽弁腱索断裂の7症例について後方視的に検討した. 初診時月齢は4~5ヵ月(平均4.7ヵ月), 体重は4.7~8.2kg(平均6.5kg)であった. ほとんどの症例が発熱・咳嗽などを主訴に近医を受診し, 上気道炎などと診断されて外来で対応され, その後全例, 数日...

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Veröffentlicht in:心臓 2008-04, Vol.40 (4), p.359-364
Hauptverfasser: 千田礼子, 成田純任, 石川司朗, 石川友一, 中村真, 牛ノ濱大也, 佐川浩一, 角秀秋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:急性に発症した僧帽弁腱索断裂は年齢を問わず急性左心不全を引き起こし, しばしば重症化する. 特に乳児の場合, 僧帽弁置換術を考慮すると使用できる人工弁のサイズに制限があるため, この時期の僧帽弁腱索断裂への外科的介入は慎重にならざるを得ず, その救命は非常に困難であると予測される. 今回われわれは当院で経験した, 乳児期に急性発症した僧帽弁腱索断裂の7症例について後方視的に検討した. 初診時月齢は4~5ヵ月(平均4.7ヵ月), 体重は4.7~8.2kg(平均6.5kg)であった. ほとんどの症例が発熱・咳嗽などを主訴に近医を受診し, 上気道炎などと診断されて外来で対応され, その後全例, 数日以内に急速に多呼吸や哺乳量減少が進行したため緊急入院した. 2症例に川崎病の既往を認めた. 心エコーで, 全例において重度の僧帽弁閉鎖不全(Mitral Regurgitation;MR)を認め, 内科管理中に4例が輸血, 4例が人工呼吸器管理を必要とした.
ISSN:0586-4488