12歳男児の四肢末端痛により診断にいたったFabry病の1家系

12歳男児の四肢末端痛をきっかけとした家族性のFabry病を報告する.母親は同時にFabry病の心病変である著明な左室肥大・心不全が認められた.本症は,α-galactosidase A活性の欠損・低下によって引き起こされるX連鎖性遺伝のlysozome病であり,sphingo糖脂質が全身に蓄積する進行性の疾患である.心病変では肥大型心筋症様の肥大を呈し,さらに進行すると収縮不全によって難治性心不全をきたすことが知られている.従来までの対症療法に代わり,本邦でも2004年より根本治療である酵素補充療法が可能となっている.臨床の場において,本疾患を認識し鑑別することの重要性を考えるうえで貴重な症...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2007-08, Vol.39 (8), p.750-754
Hauptverfasser: 寺内靖順, 久保 亨, 馬場裕一, 星川英里, 弘田隆省, 羽屋戸佳世, 大川真理, 山崎直仁, 北岡裕章, 松村敬久, 矢部敏和, 土居義典
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:12歳男児の四肢末端痛をきっかけとした家族性のFabry病を報告する.母親は同時にFabry病の心病変である著明な左室肥大・心不全が認められた.本症は,α-galactosidase A活性の欠損・低下によって引き起こされるX連鎖性遺伝のlysozome病であり,sphingo糖脂質が全身に蓄積する進行性の疾患である.心病変では肥大型心筋症様の肥大を呈し,さらに進行すると収縮不全によって難治性心不全をきたすことが知られている.従来までの対症療法に代わり,本邦でも2004年より根本治療である酵素補充療法が可能となっている.臨床の場において,本疾患を認識し鑑別することの重要性を考えるうえで貴重な症例であるため報告する.
ISSN:0586-4488