マルチスライスCTにて異常走行部位に冠動脈プラークが同定された右冠動脈起始異常の1例
症例は64歳, 男性. 数日前から歩行時の胸痛が出現し, 当院を受診した. 不安定狭心症の診断で入院し, 準緊急的に冠動脈造影が施行された. 右冠動脈末梢は左冠動脈からの側副血行路により造影され, 右冠動脈近位部の高度狭窄が示唆されたが, 右冠動脈の起始部が同定されず責任病変の同定にいたらなかった. 後日, 冠動脈マルチスライスCTを施行したところ, 右冠動脈は左バルサルバ洞から起始し, 上行大動脈と肺動脈幹の間隙を走行する部位に冠動脈プラークによる高度狭窄が認められた. 待機的冠動脈造影では, 右冠動脈Seg.1に99%の狭窄を認めた. アンカーバルーン手技による病変部のガイドワイヤー通過の...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2007-06, Vol.39 (6), p.543-546 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は64歳, 男性. 数日前から歩行時の胸痛が出現し, 当院を受診した. 不安定狭心症の診断で入院し, 準緊急的に冠動脈造影が施行された. 右冠動脈末梢は左冠動脈からの側副血行路により造影され, 右冠動脈近位部の高度狭窄が示唆されたが, 右冠動脈の起始部が同定されず責任病変の同定にいたらなかった. 後日, 冠動脈マルチスライスCTを施行したところ, 右冠動脈は左バルサルバ洞から起始し, 上行大動脈と肺動脈幹の間隙を走行する部位に冠動脈プラークによる高度狭窄が認められた. 待機的冠動脈造影では, 右冠動脈Seg.1に99%の狭窄を認めた. アンカーバルーン手技による病変部のガイドワイヤー通過の後, 同部位に対しステントを留置した. 冠動脈マルチスライスCTにて, プラークによる高度狭窄が同定された右冠動脈起始異常の症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 |