精神的ストレスを契機に発症したたこつぼ心筋障害にF-18-fluorodeoxy-glucose(FDG)PETを実施した1例

「Abstract」症例は76歳, 女性. 2005年4月19日に夫が他界した. 翌日4月20日自宅にて胸痛を自覚し, 改善が得られないため, 当院へ救急搬送となり, 精査, 治療目的にて入院となった. 入院時の心電図上V2, V3誘導にてST部分の上昇を認め, V2~6, II, III, aVF, I誘導にて陰性T波を認め, V4, V5誘導では巨大陰性T波を認めたため, 急性心筋梗塞疑いにて緊急冠動脈造影を実施したが, 冠動脈に有意狭窄は認められなかった. 左心室造影上, 心尖部を中心に広範囲な無収縮を認め, 心基部は過収縮となっており, apical ballooning appear...

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Veröffentlicht in:心臓 2006-11, Vol.38 (11), p.1115-1119
Hauptverfasser: 中村玲雄, 木下法之, 小出正洋, 谷口琢也, 宮井伸幸, 入江秀和, 伊藤一貴
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「Abstract」症例は76歳, 女性. 2005年4月19日に夫が他界した. 翌日4月20日自宅にて胸痛を自覚し, 改善が得られないため, 当院へ救急搬送となり, 精査, 治療目的にて入院となった. 入院時の心電図上V2, V3誘導にてST部分の上昇を認め, V2~6, II, III, aVF, I誘導にて陰性T波を認め, V4, V5誘導では巨大陰性T波を認めたため, 急性心筋梗塞疑いにて緊急冠動脈造影を実施したが, 冠動脈に有意狭窄は認められなかった. 左心室造影上, 心尖部を中心に広範囲な無収縮を認め, 心基部は過収縮となっており, apical ballooning appearanceを呈していたため, たこつぼ心筋障害と診断した. 第3病日に201 TI, 123 I-BMIPPのdual SPECTを実施したところ, 心尖部での無収縮領域に中等度の集積低下を認めた. また第5病日にグルコ-ス負荷下に18F-FDG-PETを実施し, 同部位に集積の低下を認めた. 以上の経過から, たこつぼ心筋障害の成因として, 冠動脈微小循環障害が関与していると考えられた.
ISSN:0586-4488