健診心電図異常でみつかった両心房内巨大粘液腫の1例
症例は37歳の元来健康な女性. 2005年1月健診にて心電図異常(左房負荷)を指摘され, 当院内科外来を受診した. 外来での経胸壁心臓超音波検査にて両心房内に巨大な腫瘍を認め, 同年2月15日精査入院とともにワルファリン内服を開始した. 精査の結果, 両心房内粘液腫と診断し, 3月3日腫瘍摘出術を施行した. 両心房内粘液腫は, 心臓粘液腫のうち2.5~5.0%と大変稀な疾患であるうえに, 本症例の場合は胸部MRI上, 右房内から右室内にかけて70×50mm, 左房内に55×30mmと非常に巨大な腫瘍であった. 一般的に心臓粘液腫は, 倦怠感, 易疲労感, 発熱など非特異的な症状を呈することが多...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2006-09, Vol.38 (9), p.935-941 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は37歳の元来健康な女性. 2005年1月健診にて心電図異常(左房負荷)を指摘され, 当院内科外来を受診した. 外来での経胸壁心臓超音波検査にて両心房内に巨大な腫瘍を認め, 同年2月15日精査入院とともにワルファリン内服を開始した. 精査の結果, 両心房内粘液腫と診断し, 3月3日腫瘍摘出術を施行した. 両心房内粘液腫は, 心臓粘液腫のうち2.5~5.0%と大変稀な疾患であるうえに, 本症例の場合は胸部MRI上, 右房内から右室内にかけて70×50mm, 左房内に55×30mmと非常に巨大な腫瘍であった. 一般的に心臓粘液腫は, 倦怠感, 易疲労感, 発熱など非特異的な症状を呈することが多く, 一般内科を受診された後, 診断に苦慮するケースが少なくない. また塞栓症状を発症した後に受診するケースも多いとされている. われわれは, 軽微な心電図異常をきっかけに両心房内巨大粘液腫と診断し, 塞栓症を発症する前に摘出術を施行, 良好な術後経過をたどった症例を経験したのでここに報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 |