徐脈頻脈症候群に対して心房粗動アブレーションと心房中隔ペーシングが奏効し睡眠時無呼吸をも改善した1例

患者は4年前より, 発作性心房粗動(P-AFL), 心房細動(PAF)に対して抗不整脈薬内服中の72歳, 男性. 動悸発作後の失神, 転倒を3回繰り返し救急来院となった. 頻脈停止時に洞停止を認め失神症状と一致したため, 抗不整脈薬内服を中止したが, 頻脈停止時の洞停止(最長9.0秒)を繰り返した. 頻脈発作の大半は通常型AFLであり, 下大静脈一三尖弁輪間峡部線状焼灼を施行した後, DDD型ペースメーカーを植え込んだ. DDD rate 70~110/分, AF suppression機能(St. Jude Medical社の心房ペーシング率を高めるアルゴリズム)を作動させて心房中隔over...

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Veröffentlicht in:心臓 2006-07, Vol.38 (7), p.740-745
Hauptverfasser: 宮永 哲, 小山達也, 岩野圭二, 中田耕太郎, 寺尾吉生, 久保田健之, 香山洋介, 松山明正, 久能 守, 今本 諭, 武田 聡, 笠井督雄, 佐藤 周, 関 晋吾, 伊達太郎, 望月正武
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:患者は4年前より, 発作性心房粗動(P-AFL), 心房細動(PAF)に対して抗不整脈薬内服中の72歳, 男性. 動悸発作後の失神, 転倒を3回繰り返し救急来院となった. 頻脈停止時に洞停止を認め失神症状と一致したため, 抗不整脈薬内服を中止したが, 頻脈停止時の洞停止(最長9.0秒)を繰り返した. 頻脈発作の大半は通常型AFLであり, 下大静脈一三尖弁輪間峡部線状焼灼を施行した後, DDD型ペースメーカーを植え込んだ. DDD rate 70~110/分, AF suppression機能(St. Jude Medical社の心房ペーシング率を高めるアルゴリズム)を作動させて心房中隔overdrive pacingを行った. 以後, 15ヵ月間, 抗不整脈薬非投与下に持続するPAFは認めず, 動悸, めまいなどの自覚症状はほぼ消失した. さらに, ペースメーカー挿入前はいびきをよくかき, 重度の睡眠時無呼吸を認めていた〔無呼吸, 低呼吸指数(AHI)37.7〕が, 術後には睡眠時無呼吸も消失し, いびき症状が著明に改善した. 徐脈頻脈症候群と睡眠時無呼吸との関連が示唆された興味ある症例であった.
ISSN:0586-4488