シロスタゾールにより治療された嚥下性失神の1症例
症例は57歳, 男性. 嚥下時に胸のつかえる感じに引き続き, 意識消失する発作を繰り返すため受診した. 上部消化管内視鏡で軽度の逆流性食道炎を認めた以外には, 他の検査にて異常はなかった. 食道へSengstaken-Blakemore tubeを留置し, 食道内圧を上昇させたところ, 房室ブロックおよび洞停止を認め, RR間隔は最大9.2秒まで延長した. 硫酸アトロピン1mgの静脈内投与により, この反応は抑制された. 嚥下性失神と診断し, 陽性変時作用をもつシロスタゾール200mgの内服投与を開始した. その後は, 嚥下時の失神や失神前駆症状は全く生じなくなった. 投与開始2ヵ月後に同様の...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2006-01, Vol.38 (1), p.47-51 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は57歳, 男性. 嚥下時に胸のつかえる感じに引き続き, 意識消失する発作を繰り返すため受診した. 上部消化管内視鏡で軽度の逆流性食道炎を認めた以外には, 他の検査にて異常はなかった. 食道へSengstaken-Blakemore tubeを留置し, 食道内圧を上昇させたところ, 房室ブロックおよび洞停止を認め, RR間隔は最大9.2秒まで延長した. 硫酸アトロピン1mgの静脈内投与により, この反応は抑制された. 嚥下性失神と診断し, 陽性変時作用をもつシロスタゾール200mgの内服投与を開始した. その後は, 嚥下時の失神や失神前駆症状は全く生じなくなった. 投与開始2ヵ月後に同様の方法で食道内圧を上昇させたが, 徐脈は生じなかった. 嚥下性失神への有効な内服治療の報告はほとんどなく, 最終的にペースメーカーの植え込みが行われている場合もある. われわれは, 嚥下性失神に対し, シロスタゾールの有効性が示された症例を経験したため報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 |