電気的除細動後の洞調律維持に及ぼすアンジオテンシン受容体拮抗薬の影響
われわれは, 持続性心房細動例における電気的除細動後の洞調律維持に, アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)がどのように影響しえたのかを後ろ向きに検討した. 対象は持続性心房細動を有し電気的除細動を施行しえた連続59例中, 除細動に成功し2週間以上洞調律が得られた42例(男性41例, 女性1例)である. 年齢は平均53±10(24~76)歳, 心房細動の罹病期間は平均26±36(1~140)カ月であり, 何らかの基礎心疾患を18例で認めた. 除細動後の洞調律維持に用いた抗不整脈薬の内訳はシベンゾリン22例, ベプリジル11例, アミオダロン4例, その他の薬剤が5例であり, 16例でARBが併...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2005-09, Vol.37 (9), p.793-795 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | われわれは, 持続性心房細動例における電気的除細動後の洞調律維持に, アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)がどのように影響しえたのかを後ろ向きに検討した. 対象は持続性心房細動を有し電気的除細動を施行しえた連続59例中, 除細動に成功し2週間以上洞調律が得られた42例(男性41例, 女性1例)である. 年齢は平均53±10(24~76)歳, 心房細動の罹病期間は平均26±36(1~140)カ月であり, 何らかの基礎心疾患を18例で認めた. 除細動後の洞調律維持に用いた抗不整脈薬の内訳はシベンゾリン22例, ベプリジル11例, アミオダロン4例, その他の薬剤が5例であり, 16例でARBが併用されていた. 使用したARBはカンデサルタンのみで, その用量は平均5±3(2~12)mg/日であった. 平均31±26(1.4~87.0)カ月間の経過観察中に洞調律が維持されていたのは15例(36%)であり, 24例で心房細動の再発を認め, 3例は追跡不能であった. ARB併用の有無と洞調律維持との関連を検討すると, 洞調律維持例は, ARB併用群では15例中8例(53%)に認められたのに対し, 単独群では24例中7例(29%)にすぎず, ARB併用群で洞調律維持例が多い傾向を認めたが, 統計学的有意差を認めなかった. 今回の後ろ向きの検討では洞調律維持に関するARBの併用効果を明らかにしえなかったが, ARB併用群は単独群に比し対象の年齢が有意に高いこと, 基礎心疾患を有する例が多いことなど, 洞調律維持に不利な条件を有していたことを考慮すべきで, 今後のさらなる検討が必要と思われた. |
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ISSN: | 0586-4488 |