Andersen症候群から学ぶU波の成因
Einthovenにより命名されたU波は, いまだにその成因や構造について明らかにされていない. また各種病態により生じる異常なU波についても不明なことが多く残されたままである. カリウムチャネルの遺伝子異常(KCNJ2)により骨格異常, 周期性四肢麻痺, QT延長と心室性不整脈を来すAndersen症候群は, U波の異常を示す疾患として最近注目されている. われわれはこれまでに7家系13人のAndersen症候群患者から6つのKCNJ2遺伝子異常を同定した. 計測可能であった12人のU波を検討したところ, 平均振幅は0.23±0.02mVと増高, 先行するT波との振幅比は0.95±0.2と異...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2005-06, Vol.37 (6), p.536-542 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Einthovenにより命名されたU波は, いまだにその成因や構造について明らかにされていない. また各種病態により生じる異常なU波についても不明なことが多く残されたままである. カリウムチャネルの遺伝子異常(KCNJ2)により骨格異常, 周期性四肢麻痺, QT延長と心室性不整脈を来すAndersen症候群は, U波の異常を示す疾患として最近注目されている. われわれはこれまでに7家系13人のAndersen症候群患者から6つのKCNJ2遺伝子異常を同定した. 計測可能であった12人のU波を検討したところ, 平均振幅は0.23±0.02mVと増高, 先行するT波との振幅比は0.95±0.2と異常高値であった. さらに心室性不整脈が80%の症例に認められ, その心室性期外収縮はR on U型となる長い連結期で出現していた. 新たに同定された遺伝子異常(G146S)をパッチクランプ法により機能解析し, このデータを基に心筋活動電位モデル(Kyoto model)にてシミュレーションを行った. 再分極の遅延により活動電位はなだらかに延長し, 遅延後脱分極の発生につづく心室性期外収縮が観察された. これらのことによりAndersen症候群におけるU波の成因に, 遅延後脱分極が関与している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 |