Eisenmenger症候群を呈した完全大血管転位症II型の33歳女性例

isenmenger症候群を呈した完全大血管転位症II型の33歳例を報告した. 症例は諸般の事情で18歳時はじめて確定診断され, すでにEisenmenger症候群を呈しており手術適応なしと判断された. しかし, その後も心症状なく, 高い生活の質を保ちfull-time workerとして仕事をしていた. 30歳時に海外旅行を契機に軽度の喀血を認め, 2度目の心カテ検査を施行. 房室弁逆流もなく良好な心機能を保ち, 一酸化窒素, プロスタサイクリン負荷にて軽度ではあるが肺動脈圧の低下を認め, 肺血管の反応性の残存が確認された. 適度の大きさの心房中隔欠損が良好に機能しているためと思われた....

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Veröffentlicht in:心臓 2004-11, Vol.36 (11), p.759-765
Hauptverfasser: 高永煥, 北川泉, 竹越嚢
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:isenmenger症候群を呈した完全大血管転位症II型の33歳例を報告した. 症例は諸般の事情で18歳時はじめて確定診断され, すでにEisenmenger症候群を呈しており手術適応なしと判断された. しかし, その後も心症状なく, 高い生活の質を保ちfull-time workerとして仕事をしていた. 30歳時に海外旅行を契機に軽度の喀血を認め, 2度目の心カテ検査を施行. 房室弁逆流もなく良好な心機能を保ち, 一酸化窒素, プロスタサイクリン負荷にて軽度ではあるが肺動脈圧の低下を認め, 肺血管の反応性の残存が確認された. 適度の大きさの心房中隔欠損が良好に機能しているためと思われた. その後もEisenmenger症候群に伴う症状もなく, 高い生活の質を保ち, 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP), 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)もほぼ正常に推移しているが, BNPは仕事のストレスに伴い, 心症状はないものの一過性の上昇を認めた. Eisenmenger症候群の死亡原因として慢性心不全, 突然死が多く, 経過をみていく上でBNPは良い指標と思われる.
ISSN:0586-4488