いかなる心筋炎が劇症化するのか ・急性心筋炎39例の検討

急性心筋炎では, 心原性ショックにおちいる症例が存在する. しかし, 一体いかなる時期にいかなる症例が, 心原性ショックにおちいるのかという点については明らかにされていない. 今回, 前述の問題点を明らかにしえたので報告する. 心筋生検により, 組織学的に診断された急性リンパ球性心筋炎47例中, 入院時にすでに心原性ショックにおちいっていた8例を除く39例を対象とした. 39例を, 入院後にショックにおちいり第2~6病日に大動脈内バルーンパンピングあるいは経皮的心肺補助の補助循環を必要とした劇症群12例(30.8%)と, 補助循環を必要としなかった非劇症群27例(69.2%)に分け, 両群間に...

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Veröffentlicht in:心臓 2003-09, Vol.35 (9), p.621-628
Hauptverfasser: 加藤茂, 森本紳一郎, 平光伸也, 植村晃久, 久保奈津子, 大槻眞嗣, 加藤靖周, 杉浦厚司, 宮城島賢二, 吉田幸彦, 伊藤昭男, 菱田仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:急性心筋炎では, 心原性ショックにおちいる症例が存在する. しかし, 一体いかなる時期にいかなる症例が, 心原性ショックにおちいるのかという点については明らかにされていない. 今回, 前述の問題点を明らかにしえたので報告する. 心筋生検により, 組織学的に診断された急性リンパ球性心筋炎47例中, 入院時にすでに心原性ショックにおちいっていた8例を除く39例を対象とした. 39例を, 入院後にショックにおちいり第2~6病日に大動脈内バルーンパンピングあるいは経皮的心肺補助の補助循環を必要とした劇症群12例(30.8%)と, 補助循環を必要としなかった非劇症群27例(69.2%)に分け, 両群間における入院直後の臨床検査所見を比較検討した. また, 劇症群12例において, ショックの発生時期とその増悪因子についてもあわせて検討した. 劇症群は非劇症群に比較して年齢が高く(57.8±11.6, 40.7±17.3歳, p
ISSN:0586-4488