原発性心膜悪性中皮腫の1例と本邦集計例(118例)の検討
症例は66歳, 男性. 平成10年4月, 呼吸困難を主訴に入院. 胸部X線上心拡大, 両側胸水を認め, 心エコーにて大量の心嚢水貯留を認めた. 心嚢穿刺による心嚢水の細胞診にて肺腺癌が疑われた. 経過中心タンポナーデを併発したため, 心嚢内にピッグテイルカテーテルを挿入し持続排液を行い, ミノマイシン, アドリアマイシン, ピシバニールの心嚢内注入にて心膜癒着療法を施行した. 心嚢水のコントロールは成功し一時退院可能となったが, その後徐々に全身状態が悪化し, 約4ヵ月後に死の転帰となった. 剖検にて心膜原発の悪性中皮腫と診断された. 生前に肺腺癌の心膜転移が疑われ, 剖検にて心膜原発の悪性中...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2003-09, Vol.35 (9), p.611-620 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は66歳, 男性. 平成10年4月, 呼吸困難を主訴に入院. 胸部X線上心拡大, 両側胸水を認め, 心エコーにて大量の心嚢水貯留を認めた. 心嚢穿刺による心嚢水の細胞診にて肺腺癌が疑われた. 経過中心タンポナーデを併発したため, 心嚢内にピッグテイルカテーテルを挿入し持続排液を行い, ミノマイシン, アドリアマイシン, ピシバニールの心嚢内注入にて心膜癒着療法を施行した. 心嚢水のコントロールは成功し一時退院可能となったが, その後徐々に全身状態が悪化し, 約4ヵ月後に死の転帰となった. 剖検にて心膜原発の悪性中皮腫と診断された. 生前に肺腺癌の心膜転移が疑われ, 剖検にて心膜原発の悪性中皮腫と診断された1例を経験したので, 最近までの本邦集計例の検討を合わせ報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 |