慢性心筋虚血病態モデルから考えること

虚血性心疾患の診断と治療がかなり進歩したことは急性心筋梗塞の院内死亡率の低下にも表れており疑いようがない. その要因は色々あると思うが, 再灌流療法の導入も寄与している一つにあげられよう. 虚血性心疾患は冠血流の相対的, 絶対的不足に基づく. 心筋梗塞はその最も厳しい病態であり再灌流の意義があることはいうまでもない. 梗塞発症後いつまでが再灌流の緊急対象となるのか, 見解はほぼ固まってきていると思うがなお不確定な所がある. 梗塞後も繰り返してST変化が認められる場合, 梗塞発症後からの時間は問題とせず再灌流療法が選ばれている. しかし, そのようなことがない場合には発症後の時間が目安となるが,...

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Veröffentlicht in:心臓 2003, Vol.35 (9), p.599-601
1. Verfasser: 丸山幸夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:虚血性心疾患の診断と治療がかなり進歩したことは急性心筋梗塞の院内死亡率の低下にも表れており疑いようがない. その要因は色々あると思うが, 再灌流療法の導入も寄与している一つにあげられよう. 虚血性心疾患は冠血流の相対的, 絶対的不足に基づく. 心筋梗塞はその最も厳しい病態であり再灌流の意義があることはいうまでもない. 梗塞発症後いつまでが再灌流の緊急対象となるのか, 見解はほぼ固まってきていると思うがなお不確定な所がある. 梗塞後も繰り返してST変化が認められる場合, 梗塞発症後からの時間は問題とせず再灌流療法が選ばれている. しかし, そのようなことがない場合には発症後の時間が目安となるが, それからだけでは心筋viabilityの判断はしにくい. 虚血急性期の心筋viabilityの評価には心電図, 心筋シンチグラフィー, 心筋コントラスト法を含む心エコーなどがよく用いられているが, その精度, 感度は必ずしも充分ではない.
ISSN:0586-4488