腎機能の急速な増悪に伴い心停止に至ったジギトキシン服用患者の1例
症例は75歳男性. 2000年3月12日腎後性急性腎不全の診断で当院泌尿器科に入院した. 13日, 突然徐脈から心肺停止となり蘇生後CCUに入室した. 入室時, 心拍数76/分と洞調律を示したが, 再度徐脈となり硫酸アトロピンに反応しないため一時ペーシングを行った. 14日には自然に洞調律の自己心拍となった. 入院前よりジギトキシン0.075mgを服用中であり, 過量投与を疑い血中濃度を測定したが, 7.61ng/mlと有効血中濃度以下であった. しかし, ジゴキシン血中濃度は2.49ng/mlと中毒域を示した. また, 以前から高血圧に対してメトプロロール40mg, ジルチアゼム徐放剤200...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2003-06, Vol.35 (6), p.404-408 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は75歳男性. 2000年3月12日腎後性急性腎不全の診断で当院泌尿器科に入院した. 13日, 突然徐脈から心肺停止となり蘇生後CCUに入室した. 入室時, 心拍数76/分と洞調律を示したが, 再度徐脈となり硫酸アトロピンに反応しないため一時ペーシングを行った. 14日には自然に洞調律の自己心拍となった. 入院前よりジギトキシン0.075mgを服用中であり, 過量投与を疑い血中濃度を測定したが, 7.61ng/mlと有効血中濃度以下であった. しかし, ジゴキシン血中濃度は2.49ng/mlと中毒域を示した. また, 以前から高血圧に対してメトプロロール40mg, ジルチアゼム徐放剤200mgを服用中であった. ジギトキシンの約8%は体内でジゴキシンに変換され代謝される. 急性腎不全に伴い, このジゴキシンの排泄が遅れ, ジギトキシン服用によりジゴキシン血中濃度が増加し, メトプロロール, ジルチアゼムとの相乗作用により心停止に至ったと考えられた. 腎不全患者においてはジギトキシン投与にも注意を要する. |
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ISSN: | 0586-4488 |