急性心筋梗塞を発症した真性多血症の1例
抄録症例は49歳, 女性. 主訴は呼吸困難. 平成9年頃より真性多血症にて加療中であった. 平成12年10月4日より両肩背部痛, 8日23時呼吸困難を訴え近医受診後に当科に紹介された. 心電図上V1~4にかけてST上昇を認め, 血液検査ではRBC741万/μl, WBC35100/μl, Plt142万/μlと3系統とも増加していた. 緊急冠動脈造影を施行し, 左前下行枝AHA分類seg. 6に完全閉塞を認め, 直接ステント留置を施行して再疎通を得た. 術後心不全が遷延したが, 400ml瀉血を施行したところ肺動脈襖入圧, 心係数ともに改善を認めた. 術中, 後より抗凝固療法および抗血小板薬投...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2003-02, Vol.35 (2), p.104-109 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 抄録症例は49歳, 女性. 主訴は呼吸困難. 平成9年頃より真性多血症にて加療中であった. 平成12年10月4日より両肩背部痛, 8日23時呼吸困難を訴え近医受診後に当科に紹介された. 心電図上V1~4にかけてST上昇を認め, 血液検査ではRBC741万/μl, WBC35100/μl, Plt142万/μlと3系統とも増加していた. 緊急冠動脈造影を施行し, 左前下行枝AHA分類seg. 6に完全閉塞を認め, 直接ステント留置を施行して再疎通を得た. 術後心不全が遷延したが, 400ml瀉血を施行したところ肺動脈襖入圧, 心係数ともに改善を認めた. 術中, 後より抗凝固療法および抗血小板薬投与を行い, 慢性期の冠動脈造影ではステント内閉塞はみられず血流は良好であったが, 左室造影では左前下行枝領域はakinesisを認めた. 真性多血症における急性心筋梗塞治療については確立したものはないが, 本症例においては直接ステント留置を施行するも再閉塞を認めなかった. 心不全には潟血が有効であり, 心不全に心筋梗塞による心機能低下だけでなく, 多血症の関与が考えられた. (心臓35:104~109, 2003)真性多血症(polycythemiavera, 以下PV)は臨床症状が顕著でないことが多い. しかし, 経過とともに赤血球増多と関連した血栓症などの合併症を起こすことがある. 急性心筋梗塞を発症することもあり, 治療については議論がある. 我々は, 急性心筋梗塞を発症した真性多血症を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 |