心血管リモデリングに関わる転写因子KLF5と抑制薬の開発

転写因子KLF5/BTEB2は, その上流にあるアンジオテンシンIIやFGFなどの増殖因子のシグナルによりMEK-1を介して活性化される. KLF5/BTEB2の活性化によってPDGFなどの成長因子やiNOS, Egr-1などを誘導して形質転換を受けた平滑筋細胞や線維芽細胞に発現する遺伝子の形質転換に関わる. 同時に動脈硬化病変や血管再狭窄などの原因に関与し, さらに心血管リモデリングや臓器線維化に中心的な役割を担っている. RAR刺激薬のAm80はKLF5/BTEB2によるPDGF-A遺伝子の転写活性を抑制する. マウスモデルの実験系を用いて心血管などに対する作用を検討した結果, Am80に...

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Veröffentlicht in:心臓 2003, Vol.35 (1), p.74-77
Hauptverfasser: 永井良三, 新藤隆行, 真鍋一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:転写因子KLF5/BTEB2は, その上流にあるアンジオテンシンIIやFGFなどの増殖因子のシグナルによりMEK-1を介して活性化される. KLF5/BTEB2の活性化によってPDGFなどの成長因子やiNOS, Egr-1などを誘導して形質転換を受けた平滑筋細胞や線維芽細胞に発現する遺伝子の形質転換に関わる. 同時に動脈硬化病変や血管再狭窄などの原因に関与し, さらに心血管リモデリングや臓器線維化に中心的な役割を担っている. RAR刺激薬のAm80はKLF5/BTEB2によるPDGF-A遺伝子の転写活性を抑制する. マウスモデルの実験系を用いて心血管などに対する作用を検討した結果, Am80による心血管リモデリングや臓器線維化の抑制効果が認められた. (心臓35:74~77, 2003)「はじめに」心臓や血管は物理的, 代謝的, 免疫学的負荷に反応して, 肥大, 過形成, 線維化などの変化をきたす. これは負荷に対する一種の適応であるが, 立体構築が変化して機能障害が生じると心不全や動脈硬化などの病態を形成する.
ISSN:0586-4488