我が国における突然死と虚血性心疾患

1.突然死の発生頻度 突然死は, 「予測し得ない内因性疾患による24時間以内の死亡」と定義され, 我が国における突然死の発生頻度は, 1987年の河合忠一先生らの報告では, 都市と地方によって異なるが人口10万に対する粗死亡率は89~102, うち心疾患によるものは34~73で, 特に発生1時間以内の突然死に限ってみると心血管系を原因とするものがほとんどを占め, 東京や大阪の監察医務院の成績では, 突然死の約半数が虚血性心疾患であるとしており, 原因疾患として虚血性心疾患が多い点は欧米の成績と同様である. 1991年に院外心肺停止例(以後CPA)の蘇生率向上を目的に救急救命士が誕生した. 救急...

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Veröffentlicht in:心臓 1999, Vol.31 (4), p.313-314
1. Verfasser: 上嶋権兵衛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:1.突然死の発生頻度 突然死は, 「予測し得ない内因性疾患による24時間以内の死亡」と定義され, 我が国における突然死の発生頻度は, 1987年の河合忠一先生らの報告では, 都市と地方によって異なるが人口10万に対する粗死亡率は89~102, うち心疾患によるものは34~73で, 特に発生1時間以内の突然死に限ってみると心血管系を原因とするものがほとんどを占め, 東京や大阪の監察医務院の成績では, 突然死の約半数が虚血性心疾患であるとしており, 原因疾患として虚血性心疾患が多い点は欧米の成績と同様である. 1991年に院外心肺停止例(以後CPA)の蘇生率向上を目的に救急救命士が誕生した. 救急搬送された内因性CPAの検討では, 秋田市, 船橋市, 大阪府北摂地区, 名古屋市, 東京都多摩地区での院外CPAの成績は, 人口10万に対してCPAは51.3で, うち50.3%が心原性CPAと報告している.
ISSN:0586-4488