乳頭筋断裂による三尖弁閉鎖不全を合併した心サルコイドーシスの1例

症例は29歳, 男性. 1993年4月頃より易疲労感が出現するも放置していた. 1994年4月初句より, 易疲労感および労作時の息切れが増強したため当科受診. 理学所見上, 胸骨左縁第4肋間にLevineIV度の汎収縮期雑音を聴取, 肝を季肋下2横指触知した. 胸部X線上微小結節性陰影をび漫性に認めたが, 両側肺門リンパ節の腫脹は認められなかった. 心電図上不完全右脚ブロック, 心エコー図では左室収縮能は保たれているものの, 著明な右房および右室の拡大と乳頭筋断裂による高度の三尖弁閉鎖不全を認めたため, 入院となった. 各種検査のうちGaシンチでは肺野全体と左室に集積像を認め, 心筋生検では右...

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Veröffentlicht in:心臓 1998-08, Vol.30 (8), p.517-522
Hauptverfasser: 西田義治, 山下静也, 木原進士, 大内乗有, 栗山洋, 田村律, 宮岡宏治, 平岡久豊, 中村正, 竹村芳, 松沢佑次, 小野正道, 谷口和博, 松田暉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は29歳, 男性. 1993年4月頃より易疲労感が出現するも放置していた. 1994年4月初句より, 易疲労感および労作時の息切れが増強したため当科受診. 理学所見上, 胸骨左縁第4肋間にLevineIV度の汎収縮期雑音を聴取, 肝を季肋下2横指触知した. 胸部X線上微小結節性陰影をび漫性に認めたが, 両側肺門リンパ節の腫脹は認められなかった. 心電図上不完全右脚ブロック, 心エコー図では左室収縮能は保たれているものの, 著明な右房および右室の拡大と乳頭筋断裂による高度の三尖弁閉鎖不全を認めたため, 入院となった. 各種検査のうちGaシンチでは肺野全体と左室に集積像を認め, 心筋生検では右室のみでなく収縮の保たれていた左室においても著明な線維化を認めた. 骨髄生検により類上皮性非乾酪性肉芽腫を証明し, サルコイドーシスと確定診断した. 三尖弁閉鎖不全に対して三尖弁弁輪縫縮術および形成術施行後, ステロイド治療を行った.
ISSN:0586-4488