冠動脈病変のrisk factorとして新たに何が有力か

冠動脈疾患を疑われて本院にて初回待機的冠動脈造影を受けた連続124例, 男性88例, 女性36例を対象に, リポ蛋白(Lp)-(a), HDL-コレステロール(Ch), RLP-Ch,t-PA,PAI-1, antithrombin III,protein Cをそれぞれ測定した. 冠動脈造影の結果, 有意狭窄のあった例(S群)は87例, 有意狭窄のなかった例(N群)は37例であった. HDL-ChがS群で有意に低値で, RLP-ChがS群で有意に高値であった. また, S群でprotein Cが低い傾向を認めたが, 有意差は認めなかった. 他の因子に明らかな傾向は認めなかった. さらに, RL...

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Veröffentlicht in:心臓 1997, Vol.29 (11), p.870-875
Hauptverfasser: 益岡弘司, 石倉健, 亀井滋, 尾邊利英, 世古哲哉, 奥田和明, 小藪助成, 常岡克伸, 玉井琢也, 上田国彦, 中沢茂雄, 須川正宏, 中野赳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:冠動脈疾患を疑われて本院にて初回待機的冠動脈造影を受けた連続124例, 男性88例, 女性36例を対象に, リポ蛋白(Lp)-(a), HDL-コレステロール(Ch), RLP-Ch,t-PA,PAI-1, antithrombin III,protein Cをそれぞれ測定した. 冠動脈造影の結果, 有意狭窄のあった例(S群)は87例, 有意狭窄のなかった例(N群)は37例であった. HDL-ChがS群で有意に低値で, RLP-ChがS群で有意に高値であった. また, S群でprotein Cが低い傾向を認めたが, 有意差は認めなかった. 他の因子に明らかな傾向は認めなかった. さらに, RLP-Chの値をHDL-Chの値で除したRLP-Ch/HDL-Chが, p<0.0001の極めて強い有意差でもってS群で高値であった(S群:0.213±0.198, N群:0.082±0.068). 特にRLP-Ch/HDL-Chが0.3以上の例は, N群には1例もなかったのに対し, S群では25例(28.8%)はなお0,3以上の値であった. 狭窄病変数別でみても, 病変枝数の多いほどRLP-Ch/HDL-Chは高値のものが多かった(r=0.359, p<0.0001).
ISSN:0586-4488