メトプロロールとアミオダロンの併用投与が著効した心室頻拍を合併する虚血性重症心不全の1例

症例は74歳男性, 陳旧性心筋梗塞(前壁)に急性下壁梗塞を併発し, 難治性の心室頻拍を繰り返す重症心不全に陥った. 持続性心室頻拍はアミオダロン投与により消失したが, その後も軽労作により増加, 頻発する心室性期外収縮を認めたためβ遮断薬であるメトプロロールを極少量より併用投与したところ, 抗不整脈効果とともに著明な心機能の改善, daily activityの改善が得られた. 同時に, 左室前壁, 後壁の一部の壁運動の改善, ^^201 Tlの取り込みの改善, ^^123 I-BMIPPの取り込みの改善が得られたことから, 同領域の心筋はいわゆるhibernating myocardiumの...

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Veröffentlicht in:心臓 1997-06, Vol.29 (6), p.513-518
Hauptverfasser: 酒巻一平, 李鍾大, 清水寛正, 宇隨弘泰, 酒井克哉, 白神悟志, 上田孝典
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は74歳男性, 陳旧性心筋梗塞(前壁)に急性下壁梗塞を併発し, 難治性の心室頻拍を繰り返す重症心不全に陥った. 持続性心室頻拍はアミオダロン投与により消失したが, その後も軽労作により増加, 頻発する心室性期外収縮を認めたためβ遮断薬であるメトプロロールを極少量より併用投与したところ, 抗不整脈効果とともに著明な心機能の改善, daily activityの改善が得られた. 同時に, 左室前壁, 後壁の一部の壁運動の改善, ^^201 Tlの取り込みの改善, ^^123 I-BMIPPの取り込みの改善が得られたことから, 同領域の心筋はいわゆるhibernating myocardiumの状態であったと考えられた. 本例は, ischemic cardiomyopathyによる重症心不全症例に対してもβ遮断薬療法が有用であることを示す典型例と考えられた.
ISSN:0586-4488