急性心筋梗塞早期再疎通後のCK流出動態
再疎通した急性心筋梗塞(AMI)ではCKが早期にピークを形成するとされ, 洗い出し現象や再灌流障害との関連が報告されているが, その成因は明らかでない. 一方我々は, 再疎通後のCK流出動態が必ずしも一様ではないことを既に報告した. 本研究では, 再疎通前の心筋障害の程度と再灌流障害の有無に着目し, 再疎通後のCK流出動態の成因について検討した. 発症6時間以内に冠動脈造影で梗塞責任部位(Seg. 6,7)の完全閉塞を確認した後に, TIMI grade3の再疎通が得られた初回前壁梗塞69例を対象とし, 再疎通前のΣSTが15mm以上の心筋障害が高度なS群と15mm未満の心筋障害が軽度なM群に...
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Veröffentlicht in: | 心臓 1997, Vol.29 (4), p.290-296 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 再疎通した急性心筋梗塞(AMI)ではCKが早期にピークを形成するとされ, 洗い出し現象や再灌流障害との関連が報告されているが, その成因は明らかでない. 一方我々は, 再疎通後のCK流出動態が必ずしも一様ではないことを既に報告した. 本研究では, 再疎通前の心筋障害の程度と再灌流障害の有無に着目し, 再疎通後のCK流出動態の成因について検討した. 発症6時間以内に冠動脈造影で梗塞責任部位(Seg. 6,7)の完全閉塞を確認した後に, TIMI grade3の再疎通が得られた初回前壁梗塞69例を対象とし, 再疎通前のΣSTが15mm以上の心筋障害が高度なS群と15mm未満の心筋障害が軽度なM群に分け, 更に両群をST再上昇の有無でR(+), R(-)に亜分類した. 4群間で梗塞責任部位, 再疎通時間に差はなかった. S群, M群の比較では, S群がM群に比べCKピーク値, CK総流出量が大で, CKピーク時間が早かった. R(+), R(-)の比較では, R(+)がR(-)に比べCKピーク値, CK総流出量が大で, CKピーク時間が早かった. R(+), R(-)の比較では, R(+)がR(-)に比べCKピーク値が大きい傾向にあり, CKピーク時間は早かった. 4群間の比較では, CKピーク値, CK総流出量はS群R(+), S群R(-)がM群R(+), M群R(-)に比べ大で, CKピーク時間はM群R(-)が他の3群に比べ遅かった. AMIで早期再疎通後のCK流出様式には, 再疎通前に存在する心筋障害の程度および再灌流障害が関与していることが示唆された. 再疎通による洗い出し効果に加え, 再疎通前の高度な心筋障害または再灌流障害のいずれかが関与するとCKは早期に流出し, 心筋障害が軽度で再灌流障害の関与もないとCKの流出はむしろ遷延すると考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 |