冠動脈内血栓溶解療法後のtissue plasminogen activator末梢静脈内追加点滴は再閉塞予防に有用である
Tissue plasminogen activator(t-PA)による経皮経管的冠動脈再疎通療法(PTCR)後の再閉塞が, 以前より問題となっている. 少数例での検討で, PTCR終了後の低用量のt-PA追加投与が, 投与後の線溶動態の変動から再閉塞の予防に有用と考えられることを, 既に我々は報告した. そこで今回我々は, 臨床的な有用性をより多数例にて検討した. 「方法」急性心筋梗塞50例を, 無作為にA群25例とB群25例に分けた. A群には通常のPTCR法として推奨されているごとく, t-PAを160万単位ずつ冠動脈内注入していって, 再灌流が得られたらt-PAの投与を終了した. B...
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Veröffentlicht in: | 心臓 1996-11, Vol.28 (11), p.894-897 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Tissue plasminogen activator(t-PA)による経皮経管的冠動脈再疎通療法(PTCR)後の再閉塞が, 以前より問題となっている. 少数例での検討で, PTCR終了後の低用量のt-PA追加投与が, 投与後の線溶動態の変動から再閉塞の予防に有用と考えられることを, 既に我々は報告した. そこで今回我々は, 臨床的な有用性をより多数例にて検討した. 「方法」急性心筋梗塞50例を, 無作為にA群25例とB群25例に分けた. A群には通常のPTCR法として推奨されているごとく, t-PAを160万単位ずつ冠動脈内注入していって, 再灌流が得られたらt-PAの投与を終了した. B群には同様に冠動脈内注入を行い, 再灌流したら続けてさらに160万単位を, 6時間かけて末梢静脈より持続点滴した. ヘパリン, アスピリン等の抗凝固, 抗血小板療法は両群間で統一した. 「結果」1)発症からPTCR開始までの時間や, 患者の平均年齢, 平均体重等の背景因子に両群間で有意差を認めなかった. 2)4週後の確認造影時点で全例生存し, 主たる臨床的合併症や出血性合併症に異なった傾向は認めなかった. 3)確認造影にて, A群で5例, B群で1列再閉塞していた. これは有意にB群で低率であった. 「結論」PTCR後のt-PA持続点滴にて, 再閉塞率が有意に低下した. 再閉塞予防のために直ちに臨床応用可能な方法として提唱したい. |
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ISSN: | 0586-4488 |