意識消失発作により発見された冠攣縮性狭心症の1例

胸痛の訴えがなく, 心筋虚血に伴う症状として頭痛のみを認め, 心室細動を合併した冠攣縮性狭心症の1例を経験した. 症例は53歳男性. 2年前より時折頭痛を覚えていたが, 特に胸痛などの狭心症状はなかった. 買い物中に突然意識消失をきたし, 救急隊により心室細動が確認され, 心肺蘇生された. 入院後の冠動脈造影により有意狭窄を認めなかったが, 過換気負荷にて心電図上V_1~6 でST上昇, 陰性T波の陽転化出現. 同時に左冠動脈#7が完全閉塞となった. また, このとき冠攣縮に伴って両側頭部の持続痛を訴えた. その後の^^201 Tlおよび^^123 I-BMIPP心筋SPECTでは異常を認めな...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 1996, Vol.28 (7), p.586-591
Hauptverfasser: 薄敬一郎, 三谷勇雄, 成瀬雅彦, 住田晋一, 菊池美也子, 杉本孝一, 落合久夫, 宮崎直道, 岩澤祐二, 義井譲, 石井當男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胸痛の訴えがなく, 心筋虚血に伴う症状として頭痛のみを認め, 心室細動を合併した冠攣縮性狭心症の1例を経験した. 症例は53歳男性. 2年前より時折頭痛を覚えていたが, 特に胸痛などの狭心症状はなかった. 買い物中に突然意識消失をきたし, 救急隊により心室細動が確認され, 心肺蘇生された. 入院後の冠動脈造影により有意狭窄を認めなかったが, 過換気負荷にて心電図上V_1~6 でST上昇, 陰性T波の陽転化出現. 同時に左冠動脈#7が完全閉塞となった. また, このとき冠攣縮に伴って両側頭部の持続痛を訴えた. その後の^^201 Tlおよび^^123 I-BMIPP心筋SPECTでは異常を認めなかったが, 冠動脈造影前の^^123 I-MIBG心筋SPECTでは, 心尖部から側壁にかけて集積の低下が認められ, その部位は発作時の心電図より推定される虚血部位と一致した. この欠損部位は, その後数ヵ月の経過で改善した. 本症例は心筋虚血に伴う症状として頭痛のみを訴え, 心室細動を合併したまれな症例であり, その虚血部位の推定および治療効果の判定に^^123 I-MIBG心筋SPECTが有用であった.
ISSN:0586-4488