当院出生児における先天性心疾患の発生頻度および予後についての検討

1984年1月から1993年12月までの10年間に当院において出生した生産児7,387名をprospectiveに追跡し, 97例の先天性心疾患を発見した. その発生頻度は1.31%であり, 従来の報告よりも高い値であった. 病型では心室中隔欠損症が63例(64.9%)とかなり高率であり, そのうち自然閉鎖は43例(68.3%)に認められた. 今回の検討では93.8%の大多数の症例が1ヵ月検診時までに診断されていることから, 先天性心疾患発生頻度や心室中隔欠損症の占める割合が高い理由として, 自然閉鎖が生じる以前に診断した症例が多いことが考えられた. そこで心室中隔欠損症などの自然閉鎖44症例...

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 1996, Vol.28 (3), p.189-194
Hauptverfasser: 中津忠則, 吉本勉, 吉田哲也, 林弘治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1984年1月から1993年12月までの10年間に当院において出生した生産児7,387名をprospectiveに追跡し, 97例の先天性心疾患を発見した. その発生頻度は1.31%であり, 従来の報告よりも高い値であった. 病型では心室中隔欠損症が63例(64.9%)とかなり高率であり, そのうち自然閉鎖は43例(68.3%)に認められた. 今回の検討では93.8%の大多数の症例が1ヵ月検診時までに診断されていることから, 先天性心疾患発生頻度や心室中隔欠損症の占める割合が高い理由として, 自然閉鎖が生じる以前に診断した症例が多いことが考えられた. そこで心室中隔欠損症などの自然閉鎖44症例を除いた先天性心疾患頻度を検討すると0.72%になり, これは従来から欧米で言われていた発生頻度, 出生1,000に対し5~8と一致した.
ISSN:0586-4488