Myocardial bridging部に急性冠閉塞をきたした全身性エリテマトーデスの1例

Myocardial bridging(以下MB)に一致して急性冠閉塞をきたした全身性エリテマトーデスの1例を経験した. 症例は44歳女性. 37歳時に全身性エリテマトーデスの診断を受け, ステロイド内服中であった. 前胸部絞扼感を主訴に当科を受診した際, 心電図上V_2~5 にST上昇を認め, 急性前壁梗塞を疑い緊急冠動脈造影を施行した. 左前下行枝seg. 7に完全閉塞を認め, 経皮的冠動脈形成術(PTCA)により25%狭窄に拡張し得たが, 同部に著明なMBを認めた. 同日深夜, 再び前胸部絞扼感とST上昇が出現し, 再造影では90%狭窄であったため再PTCAを行ったが, 50%狭窄への拡...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 1995, Vol.27 (3), p.235-239
Hauptverfasser: 森平雅彦, 竹中孝, 辻野一三, 五十嵐慶一, 堀本和志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Myocardial bridging(以下MB)に一致して急性冠閉塞をきたした全身性エリテマトーデスの1例を経験した. 症例は44歳女性. 37歳時に全身性エリテマトーデスの診断を受け, ステロイド内服中であった. 前胸部絞扼感を主訴に当科を受診した際, 心電図上V_2~5 にST上昇を認め, 急性前壁梗塞を疑い緊急冠動脈造影を施行した. 左前下行枝seg. 7に完全閉塞を認め, 経皮的冠動脈形成術(PTCA)により25%狭窄に拡張し得たが, 同部に著明なMBを認めた. 同日深夜, 再び前胸部絞扼感とST上昇が出現し, 再造影では90%狭窄であったため再PTCAを行ったが, 50%狭窄への拡張に留まった. 本症例はlupus anticoagulant陽性であることから, ステロイドの関与に加え易血栓性が基盤にあり, 加えてMBが冠閉塞とPTCA後の再狭窄に関与した可能性が考えられた.
ISSN:0586-4488