作物の栽培がネギ類黒腐菌核病菌の菌核生存率を低下させ黒腐菌核病被害も軽減させる

数種作物について,その栽培がネギ黒腐菌核病菌(Sclerotium cepivorum Berkeley)の菌核に与える影響を評価した。ダイズ,トウガラシ,あるいはトウモロコシの根圏に埋められた菌核の生存率は栽培の土壌に埋めた場合に比べて顕著に低下した。また,トウガラシ,サツマイモ,トウモロコシの栽培後土壌ではネギ黒腐菌核病の進展が弱まった一方で,フィルター滅菌した各種土壌の滲出液は菌核からの菌糸伸長や病原力に特に影響を与えなかった。これらの結果は,輪作による黒腐菌核病の軽減に土壌滲出液の理化学性以外の未知の要因が関わることを示唆する。殺菌剤の定植前ネギ苗潅注処理とトウモロコシの輪作を併用した...

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Veröffentlicht in:Kansai Byōchūgai Kenkyūkaihō 2021/05/31, Vol.63, pp.39-45
Hauptverfasser: 伊代住, 浩幸, 岡本, 直哉, 高橋, 冬実, 寺田, 彩華
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:数種作物について,その栽培がネギ黒腐菌核病菌(Sclerotium cepivorum Berkeley)の菌核に与える影響を評価した。ダイズ,トウガラシ,あるいはトウモロコシの根圏に埋められた菌核の生存率は栽培の土壌に埋めた場合に比べて顕著に低下した。また,トウガラシ,サツマイモ,トウモロコシの栽培後土壌ではネギ黒腐菌核病の進展が弱まった一方で,フィルター滅菌した各種土壌の滲出液は菌核からの菌糸伸長や病原力に特に影響を与えなかった。これらの結果は,輪作による黒腐菌核病の軽減に土壌滲出液の理化学性以外の未知の要因が関わることを示唆する。殺菌剤の定植前ネギ苗潅注処理とトウモロコシの輪作を併用した場合には,それぞれ単独で行った場合に比べて顕著に高い防除効果が認められた。以上の結果は,ネギ黒腐菌核病の省力的防除における輪作の推進を後押しするものである。
ISSN:0387-1002
1883-6291
DOI:10.4165/kapps.63.39