成鶏肉のカンピロバクターおよびサルモネラ汚染状況と株性状

成鶏肉も人の食用に供されるが,カンピロバクターおよびサルモネラ汚染率や分離株の薬剤耐性に関する報告はほとんどない.そこで,成鶏胸肉における両菌の汚染状況と薬剤耐性状況を調査した.51鶏群に由来する胸肉を調査したところ,カンピロバクターおよびサルモネラの汚染率は,それぞれ92.2%および35.5%であった.Campylobacter jejuniはカンピロバクター株の87.5%を占め,薬剤耐性率はアンピシリンが最も高く(45.3%),次いでテトラサイクリン(14.3%),シプロフロキサシン(14.3%)の順であった.カンピロバクター腸炎が疑われる場合に第一次選択薬として推奨されるエリスロマイシン...

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Veröffentlicht in:Shokuhin eiseigaku zasshi 2023/08/25, Vol.64(4), pp.117-122
Hauptverfasser: 佐々木, 貴正, 米満, 研三, 百瀬, 愛佳, 上間, 匡
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:成鶏肉も人の食用に供されるが,カンピロバクターおよびサルモネラ汚染率や分離株の薬剤耐性に関する報告はほとんどない.そこで,成鶏胸肉における両菌の汚染状況と薬剤耐性状況を調査した.51鶏群に由来する胸肉を調査したところ,カンピロバクターおよびサルモネラの汚染率は,それぞれ92.2%および35.5%であった.Campylobacter jejuniはカンピロバクター株の87.5%を占め,薬剤耐性率はアンピシリンが最も高く(45.3%),次いでテトラサイクリン(14.3%),シプロフロキサシン(14.3%)の順であった.カンピロバクター腸炎が疑われる場合に第一次選択薬として推奨されるエリスロマイシンに耐性を示す株はなかった.サルモネラでは,Salmonella Corvallis (30.4%)が最も多く,次いでS. Braenderup (21.7%)で,サルモネラ株の30.4%がストレプトマイシン耐性であった.サルモネラ腸炎の第一次選択薬の1つであるシプロフロキサシンに耐性を示す株はなかった.成鶏肉は両菌に汚染されていたが,エリスロマイシン耐性カンピロバクターおよびシプロフロキサシン耐性サルモネラは分離されず,これら抗菌薬の有効性は維持されていた.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.64.117