果樹カメムシの主要種チャバネアオカメムシPlautia stali(カメムシ目:カメムシ科)成虫の振動発生行動

果樹を加害するカメムシの主要種であるチャバネアオカメムシ成虫において,未交尾の雌雄成虫がパルス状の振動を発生することを初めて確認した。とくに,雌成虫では腹部を頻繁に垂直方向に動かす行動が観察された。発生した振動のパルスの長さは約0.18秒,加速度は約0.16 m/s2,優位な周波数は150Hz,実効値(優位周波数における加速度の二乗平均平方根)は0.006 m/s2であった。また,画像解析より算出したパルスの頻度は1秒当たり7.5回,振幅は約0.077 mmであった。したがって,チャバネアオカメムシの成虫が雌雄および個体間の交信に基質を伝わる振動を用いていることが示唆されるとともに,人為的な振...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nōken Kikō kenkyū hōkoku 2023-07 (15), p.77-81
Hauptverfasser: 上地, 奈美, 高梨, 琢磨
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:果樹を加害するカメムシの主要種であるチャバネアオカメムシ成虫において,未交尾の雌雄成虫がパルス状の振動を発生することを初めて確認した。とくに,雌成虫では腹部を頻繁に垂直方向に動かす行動が観察された。発生した振動のパルスの長さは約0.18秒,加速度は約0.16 m/s2,優位な周波数は150Hz,実効値(優位周波数における加速度の二乗平均平方根)は0.006 m/s2であった。また,画像解析より算出したパルスの頻度は1秒当たり7.5回,振幅は約0.077 mmであった。したがって,チャバネアオカメムシの成虫が雌雄および個体間の交信に基質を伝わる振動を用いていることが示唆されるとともに,人為的な振動を用いた行動制御技術を適用できる可能性が高まった。
ISSN:2434-9895