青森県津軽地域における耕起同時施肥播種機を用いた水稲初冬直播き栽培の出芽率と生育および収量

水稲初冬直播き栽培は,播種期間の拡大を目的として積雪前に播種作業を行う直播技術である.本報では,青森県津軽地域で耕起同時施肥播種機を用いた初冬直播き栽培の出芽率を高める播種条件について検討し,併せて出芽後の生育および収量を慣行の直播栽培と比較した.試験は2018年播種と2019年播種の2シーズンで実施した.根雪期間は,2018年播種では120日,2019年播種では69日であった.越冬後に圃場から回収した種子の生存率は55~88%の範囲に分布し,2019年播種に比べて2018年播種が低く,事前耕起をしない1回耕起区と事前耕起を行った2回耕起による有意差は認められなかった.圃場での出芽率は約29~...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 2023/07/05, Vol.92(3), pp.252-259
Hauptverfasser: 木村, 利行, 及川, 聡子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:水稲初冬直播き栽培は,播種期間の拡大を目的として積雪前に播種作業を行う直播技術である.本報では,青森県津軽地域で耕起同時施肥播種機を用いた初冬直播き栽培の出芽率を高める播種条件について検討し,併せて出芽後の生育および収量を慣行の直播栽培と比較した.試験は2018年播種と2019年播種の2シーズンで実施した.根雪期間は,2018年播種では120日,2019年播種では69日であった.越冬後に圃場から回収した種子の生存率は55~88%の範囲に分布し,2019年播種に比べて2018年播種が低く,事前耕起をしない1回耕起区と事前耕起を行った2回耕起による有意差は認められなかった.圃場での出芽率は約29~60%の範囲に分布した.播種深度は,播種機の播種深を3 cmとするよりも1 cmと浅めに設定することで深播きされる種子が減少し,出芽率が高くなった.また,春季に鎮圧作業を行うことで出芽率が12ポイント向上した.出穂期は,初冬直播き栽培が慣行栽培より2~6日早かった.施肥管理については,出芽揃期の表面施肥では初冬直播き栽培と慣行栽培の収量に有意差が認められなかったが,播種同時施肥については初冬直播き栽培の無追肥で慣行栽培より籾数および収量が有意に少なく,追肥をすることで慣行並の収量となった.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.92.252