沖縄本島北部の野猫におけるLynxacarus radovskyiの寄生調査

沖縄本島北部の国頭村で捕獲した野猫127頭を用いて,Lynxacarus radovskyi(猫柔皮ダニ)の寄生状況を調査した。全身麻酔下の猫から,目視及び触診後にノミ取り櫛で体表をすいてサンプルを採取し,顕微鏡下で外部寄生虫の同定を行った。野猫の93.7%(119/127)(95%信頼区間(95% CI) : 87.9~97.0%)で何らかの外部寄生虫を認めた。L. radovskyiの寄生率は12.6%(16/127)(95% CI : 7.8~19.6%)で,ノミ93.7%(119/127)(95% CI : 87.9~97.0%)に次いで高かった。本種が寄生した猫では皮膚病変をあまり認...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2023-05, Vol.76 (5), p.e62-e67
Hauptverfasser: 畑, 大二郎, 山岸, 真貴, 大城, 菅雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:沖縄本島北部の国頭村で捕獲した野猫127頭を用いて,Lynxacarus radovskyi(猫柔皮ダニ)の寄生状況を調査した。全身麻酔下の猫から,目視及び触診後にノミ取り櫛で体表をすいてサンプルを採取し,顕微鏡下で外部寄生虫の同定を行った。野猫の93.7%(119/127)(95%信頼区間(95% CI) : 87.9~97.0%)で何らかの外部寄生虫を認めた。L. radovskyiの寄生率は12.6%(16/127)(95% CI : 7.8~19.6%)で,ノミ93.7%(119/127)(95% CI : 87.9~97.0%)に次いで高かった。本種が寄生した猫では皮膚病変をあまり認めなかったが,全てでノミの共寄生を認めた。性別や幼成別による寄生率に差を認めなかった。国頭村の複数地域の野猫で本ダニを検出し,四季を通してその存在を確認したことから,本調査地域はL. radovskyiの分布域に含まれることを証明した。本ダニは猫で病状を示すことがあるため,沖縄では他の外部寄生虫と共に注意が必要である。
ISSN:0446-6454