夏秋トマトの自動遮光による裂果低減技術の開発

岐阜県の夏秋トマト産地では、地球温暖化に伴う夏季の強日射により裂果の発生が課題となっている。遮光をすれば裂果率は低下するが、受光する日射量が減少し収量が減少するため、日射に応じた遮光資材の開閉が必要となるものの、手動で行うには労力が必要である。このため、黒球内温度を用いた簡易的な日射比例制御による自動遮光システムを開発し、その有効性について試験を実施した。その結果、黒球内温度が41~43℃以上でトマトの生育に余分な日射を抑制できることが示唆された。この結果をもとに50%の遮光資材をクロス補強パイプ上に設置し、午後から黒球内温度43℃以上で自動開閉して遮光することで裂果の発生が低減し可販収量が増...

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Veröffentlicht in:岐阜県中山間農業研究所研究報告 2023-03 (18), p.8-16
Hauptverfasser: 杉本, 和広, 服部, 哲也, 西村, 歩, 前川, 晴希
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:岐阜県の夏秋トマト産地では、地球温暖化に伴う夏季の強日射により裂果の発生が課題となっている。遮光をすれば裂果率は低下するが、受光する日射量が減少し収量が減少するため、日射に応じた遮光資材の開閉が必要となるものの、手動で行うには労力が必要である。このため、黒球内温度を用いた簡易的な日射比例制御による自動遮光システムを開発し、その有効性について試験を実施した。その結果、黒球内温度が41~43℃以上でトマトの生育に余分な日射を抑制できることが示唆された。この結果をもとに50%の遮光資材をクロス補強パイプ上に設置し、午後から黒球内温度43℃以上で自動開閉して遮光することで裂果の発生が低減し可販収量が増加することを確認した。現地2か所における慣行栽培との比較試験においてもその有効性が確認された。
ISSN:2186-9103